スバルは欧州市場で、エンジンを搭載する新車の販売を2027年末までに段階的に終了する。2028年からは販売車種を電気自動車(EV)に絞る方針だ。ハイブリッド車も販売終了の対象となる。
ドイツの自動車専門誌『アウト・モートア・ウント・シュポルト』(Auto Motor und Sport)が報じた。同誌によると、スバル・ドイツが取材に対して方針を認めた。スバルを象徴する水平対向エンジンは、欧州の新車市場から姿を消すという。同誌は記事に「2027年までにすべての内燃機関車が販売終了」「正式決定、スバルのボクサー時代が終わる」との見出しを付けた。
◆アウトバックから段階的に終了
報道によると、まず2026年中に、2.5リットルの水平対向エンジンを搭載する現行『アウトバック』の販売を終了する。アウトバックは欧州で長くスバルの主力車種を担ってきた四輪駆動のクロスオーバーワゴンだ。
スバル・インプレッサ
続いて2027年中に、『インプレッサ』『クロストレック』『フォレスター』の販売を終了するという。3車種はいずれも、2.0リットル水平対向エンジンにモーターを組み合わせたマイルドハイブリッド「e-BOXER」を搭載している。
スペインの自動車媒体『モートル・エス』(Motor.es)は、車種ごとの具体的な注文締切日は示されていないと報じている。『モートル・エス』では、在庫がなくなり次第、順次販売を終える可能性があるとみている。
スバル・フォレスター◆残るのはEV3車種
エンジン車の販売終了後、欧州のラインアップを担うのは、SUV型EVの『ソルテラ』、クロスオーバーワゴン型EVの『E-アウトバック』、SUVクーペ型EVの『アンチャーテッド』の3車種となる。3車種は、技術面で関係の深いトヨタの『bZ4X』『bZ4Xツーリング』『C-HR+』と、それぞれプラットフォームを共有する。E-アウトバックは、エンジン車のアウトバックの車名を受け継ぐEVだ。
スバル E-アウトバックいっぽうスバルは米国で、2.5リットル水平対向エンジンを用いたストロングハイブリッドのクロストレックとフォレスターを販売している。『アウト・モートア・ウント・シュポルト』によると、これらの欧州導入については、スバルから現時点で具体的な計画や発表はなく、将来の投入も未定だ。
米国やオーストラリア向けに発表された7人乗りEV『ゲッタウェイ』については、ドイツのEV専門媒体『エレクトライブ』(electrive)が、現時点では欧州導入の予定はないと伝えている。
スバル・ゲッタウェイ◆規制対応の負担が背景に
『アウト・モートア・ウント・シュポルト』によると、スバルは販売終了の主な理由として、欧州連合(EU)の車両全体を対象とするCO2排出量の規制と、運転支援・安全装備に関する要件を挙げている。『アウト・モートア・ウント・シュポルト』は、これらへの対応によって、特に販売規模の小さいメーカーは車両の認証や販売が難しくなっていると伝えた。『モートル・エス』も、スバルの欧州での販売台数が米国に比べて少ないことから、規制に対応するための開発・認証費用を回収しにくいという事業上の事情を指摘している。
◆欧州メディアは「ボクサー時代の終わり」と報道
今回の方針について、欧州メディアはスバルのブランドを象徴してきた水平対向エンジンに注目している。
スイスの自動車情報サイト『オートスカウト24』(AutoScout24)は、「スバル、2027年までに欧州で内燃機関車の販売を終了」との見出しで報道。欧州ではブランドの伝統を形作ってきたボクサーエンジンも終わりを迎えると伝えた。また『エレクトライブ』は、スイスの輸入元側の広報担当者の話として、EV3車種の投入は節目であり、需要も好調だと紹介している。
なお今回報じられたのは欧州での新車販売の方針だ。日本や北米を含む世界全体で、スバルがエンジン車の販売を終了するという発表ではない。




