クルマは人を殺す武器---ストーカーが起こした事故の公判開始

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今年1月、自分がストーカー行為を繰り返していた33歳女性の子供に危害を加えることを目的に、集団登校中の児童の列にクルマで突っ込み、1人を死亡、11人に重軽傷を追わせて傷害致死傷罪に問われた53歳の男に対する初公判が5日、京都地裁舞鶴支部で開かれた。被告は起訴事実を全面的に否認、弁護側は「被告には刑事責任能力が無い」と主張。起訴事実を含めて争っていく姿勢を見せた。

問題の事件は今年1月21日朝、京都市綾部市内で起きた。市道を集団登校するために歩いていた小学生12人の列にワゴン車が突入。児童を次々になぎ倒した。この事故で小学2年生の男児1名が死亡、11人が重軽傷を負った。

当時は運転ミスによる偶発的な事故と思われたが、被害者の母親からの通報で驚愕の事実が発覚する。なんと事故を起こした容疑者が被害に遭った児童の母親(33歳)にストーカー行為を繰り返し、警察に対して対処方法などを相談していたという。

容疑者とこの女性は養子縁組をしていたが、トラブルなどからこれを解消。それを根に持った容疑者から度々嫌がらせを受けていた。被害に遭った児童に対しても容疑者は付きまといを繰り返しており、これを非難した女性の姉に対しても職場に押しかけるなどの嫌がらせを行っていた。当初は業務上過失致死傷容疑で逮捕していたが、警察もこの事実を深刻に受け止めて「事故は故意によるもの」と判断。容疑を傷害致死傷に切り替えて送検していた。

5日に行われた初公判で被告は起訴事実を全面的に否認。「事故当時は腰がけいれんし、一時的に運転ができない状態にあった」と主張した。弁護側は起訴事実は認めたものの、精神科への通院歴があることなどから「刑事責任能力が被告にあるのかさえ疑問」と主張。ところがこの発言に激怒した被告が弁護士を怒鳴りつけるなどしたため、公判が一時中断する騒ぎにもなった。

対する検察側は冒頭陳述で「事故は故意に起こされたことは明らか」と主張。被告の供述内容からも責任能力は問えるとして追及の構えを見せている。

《石田真一》

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