●RX-8でわかるマツダのブランド戦略
フォードグループは、フォードを筆頭にマツダを含め実に8個のブランドを有するが、どのようなクルマのデパートにするかブランド戦略は迷走中のようだ。マツダの外国人社長2代目のジェームズ・ミラーは日本人に評判良かったが、マツダのイメージ改善のさなか、フォードトップとの意見の不一致からか退任、これはブランド戦略が原因と考えられる。
卓越した運転感覚に裏づけされたスポーティなマツダデザインをマーケットに認知してもらうのが、当面のマツダブランドの目標であろう。すでに発表されている『アテンザ』と『デミオ』は順調な販売滑り出しとはいえ、それらの頂点であるRX-8にはロータリーエンジン搭載が不可欠との結論に至った。RX-8がヒットすれば、マツダはフォードグループの中でイメージが一歩抜きん出ることになる。
このようなマツダブランド戦略の目標としてはBMWがあげられる。『3シリーズ』の成功後、そののデザインを核としてBMWブランドが明確になった。もちろん技術的にはスポーティな走りと電動モーターにたとえられる滑らかなエンジンの高い評価がある。
マツダ執念の作RX-8開発を機に、ナンバーワン&オリジナルの風土が芽生えれば、強いマツダブランド確立も可能だ。かつての社長でロータリーエンジン開発責任者、山本健一もそう望むに違いない。それはミラー元社長が考えていたことに一脈通ずるような気がしてならない。