マツダは27日、広島と東京で、それぞれ社長交代の記者会見を行った。1年2カ月という極めて短期間での社長交代について、ルイス・ブース氏は「マツダには長期間いるつもりでいたのに非常に残念」と語った。
会見でブース氏は「マツダの社長に就任したとき、腰を据えて取り組むつもりで日本にやってきた。今回、欧州フォード社長への就任を要請された時は、本当にショックだった」と心境を語った。ただ、「私が欧州フォードに行くことで、マツダとの関係をより強固にできる」と抱負を語った。
欧州フォードは、市場環境の厳しさから経営が悪化しており、今月12日には責任をとって社長が辞任している。今回のマツダの緊急社長交代は、フォードにとって米国と並ぶ事業の柱である、欧州事業を早急に立てなおす必要があるというフォード本社の事情によるもの。
辞任したフォード・ヨーロッパ社長は、マツダの開発担当常務を務めていたこともあるマーチン・リーチ氏で、スモールカーやコンパクトカーの共同開発や、マツダ車の欧州での生産など、マツダとの協力関係を構築してきた。マツダと欧州フォードの協力関係を継続していくためにも、後任にはマツダ経験者が必要だったという。