警官はパニック? ---拳銃発射

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包囲する警官に向かってクルマを急発進させる素振りを見せた自動車荒らしの容疑者に対し、警官3人が拳銃を発砲し、8発中3発が容疑者2人に命中し、1人を意識不明の重体にした事件について、奈良県警は11日、発砲は事前警告や威嚇なく行われたことを明らかにした。

緊急時には警告無しの発砲も認めているが、警察では発砲に至るまでの経緯をさらに詳しく調べるとしている。

この事件は10日午後に発生している。奈良県橿原市内で発生した自動車荒らしの容疑者を追跡していた県警・自動車警ら隊や機動捜査隊などの隊員が、大和郡山市内の国道24号線で容疑者の乗ったクルマの走行を阻止。複数の警察官で取り囲むなどして投降を呼びかけた。

ところが容疑者の乗ったクルマはエンジンをふかし、警官に向かって突進させるような素振りを見せたため、近くにいた3人の警官が合計8発を発砲。うち3発が容疑者2人の首などにあたり、このうち助手席にいた28歳の男が意識不明の重体。運転席にいた26歳の男も重傷を負った。

後の調べで、3人の警官は発砲の際に拳銃を使用する予告もせず、威嚇発砲も行っていないことが明らかになった。

また、クルマに向かって警官3人が撃ち込んだ8発の銃弾のうち、5発は1人の警官が発砲していたこともわかった。警官の使用している拳銃には威嚇用の空砲1発と実弾5発が納められており、この警官はこれを全部使い果たしていたことにもなる。

警官が拳銃を使用する際には発砲を予告することが前提となっているが、身の危険が迫った状態などでは予告なしで発砲しても構わないことになっている。

だが、今回の場合には全弾使用した警官が一種のパニック状態に陥っていたとも考えられ、直接容疑者の体を狙って撃った可能性も高いことから、警察では改めて発砲に至るまでの経緯を関係者から聞き、当時どのような状態で発砲がなされたのかを検証するという。

《石田真一》

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