逆走トラブルのJR東海バス、社長が引責辞任

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JR東海バスは1日、11月に同社の路線高速バスが東名高速・吉田インターチェンジ(IC)の進入路を300mに渡ってバックで逆走した問題や、このバスの運転手らが過去に無免許運転をしていたことなどを受け、社長と運行管理担当の総務部長が引責辞任することを明らかにした。

また、幹部社員と現場の運転手ら合わせて18人の減俸処分も同時に発表されている。

同社によると、今年6月に発覚した名古屋鉄道バス運転手の無免許乗務を機に、国土交通省・中部運輸局から「免許証失効や免許停止となった運転手が乗務していなかったか、過去3年に遡って調べるように」と指示され、社内調査を実施した。

だが、この際には該当者がいなかったため、運輸局に対しても「違反者、無免許者の乗務なし」と報告していた。

ところが先月上旬に起きた東名高速での逆走トラブルの際、捜査を行った静岡県警から「当該の運転手は過去に無免許状態のまま乗務していたようだ」と指摘を受けた。

これを受けて再調査を行ったところ、逆走トラブルを起こした運転手を含む3人が免許の更新を怠るなどして失効させたまま、無免許で乗務していたことが判明した。

また、2000年から2001年の間、静岡県内の営業所に所属していた3人が業務時間外に起こした速度超過違反や、回送時にバスで追突事故を起こして相手に軽傷を負わすなどして免許停止の処分を受けていたことが新たにわかった。

同社ではこうした重大情報の把握が出来なかったことについては「乗務前に行われる点呼の際に免許証の確認を怠ったことや、運行管理者が各運転手の免許証の有効期限を把握していないなど、管理上の不手際があった」と、管理不足が生じていたことを認めている。

中部運輸局へ「該当者なし」という報告を行ったことについては、「虚偽内容を報告したというわけではなく、運転手への聞き取り調査が不十分で事実の把握に至らなかったことが原因だった」と、こちらでもミスが生じていたことを正式に認め、謝罪している。

こうした事態の責任を取る形で現在の吉川公行社長は引責辞任し、後任にはJR東海グループから新たな人材を受け入れることを表明している。また、運行管理などの責任者である同社の総務部長についても中部運輸局が先月実施した特別監査の結果を待ち、退任する予定だという。

そして、これに合わせて無免許乗務や違反が発覚した6人の運転手に対する社内処分(減俸や出勤停止)も発表された。幹部社員12人も減俸などの処分がなされ、処分者の総計は18人に達するという。

《石田真一》

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