【新中期計画が相次いで始動】キーワードは「持続的成長」

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【新中期計画が相次いで始動】キーワードは「持続的成長」
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自動車メーカーの業績は、2005年3月期も業界合計で最高益の更新が続く。北米、欧州でのシェア拡大やアジア市場の開拓など、日本車はグローバルに躍進している。

1990年代末に表面化した日産自動車や大型トラック各社などの経営危機も、三菱自動車グループを例外として収束。

00年代も中盤に入った今年は、グローバル競争が激化するなかで各社各様の経営戦略を描く年となる。とくに05年度からは新中期経営計画に着手する企業が多く、「持続的成長」への新たなアプローチが始まる。

■日産自動車…まだまだ増販めざす。日本人COOは誰に

99年にルノー傘下に入って以来、カルロス・ゴーン社長による「NRP」「日産180」の中期計画で再建から成長への路線を敷いた。05年度からは持続的な成長と高い収益性、さらに投下資本効率を重視した3カ年の「日産バリューアップ」が始まる。最終の07年度には世界販売420万台を目指すという意欲的な数字を掲げる。

また、10%以上を念頭に置いた世界トップレベルの営業利益率や、投下資本利益率(ROIC)20%以上の確保もコミットする。日産の04年度世界販売計画は338万台。次期計画では3年で82万台の上乗せを図るため、3年半で100万台の販売増を目指す「日産180」よりも「増販ペースは、さらに速くなる」(ゴーン社長)という急成長路線だ。

期間中に世界に投入する新モデル28車種で達成を目指し、世界5位のダイムラークライスラーにほぼ肩を並べる規模を狙う。新計画がスタートする4月からゴーン社長はルノーのCEOも兼務、新たに指名する日本人のCOOとともに、日産・ルノー連合のシナジー効果も一段と引き上げていく。

■ホンダ…理念優先・源流強化で成長する方法

6月で就任丸2年となる福井威夫社長が描く3カ年の「新中期計画」が4月から始動する。具体的な内容の発表は7月ごろとなる見通し。新計画では福井社長が就任以来、強調してきた「源流強化」の浸透を図る。

「量は結果であり、こだわらない」として、「ホンダらしさ」の追求など理念優先できた福井社長だが、どう成長路線を提示するか注目される。04年(暦年ベース)の4輪車世界販売は、前年比10%増の319万台と初めて300万台に乗せた。日産や韓国の現代自動車グループとほぼ同レベルの水準で競っている。

着実な収益の拡大を重視し、新計画の最終である07年度の4輪車販売は日産のような高い数値にはならず、390万台前後のレベルとなりそうだ。

■日産自動車…まだまだ増販めざす。日本人COOは誰に
■ホンダ…理念優先・源流強化で成長する方法
■スズキ…売上高3兆円と鈴木会長の引退
■いすゞ…復活からリーダーへ。いまだ残された課題
■マツダ…勢いつけて過去最多の16車種
■ヤマハ発動機…新社長の新計画は加速と向上

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《池原照雄》

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