スタンダード&プア社がGMとフォードの株式をジャンクボンドに格下げしたことは、アメリカの自動車業界に大きなショックを与えた。
両社ともに業務に差し支える心配はないものの、長期的な社債による資金集めが困難となり、工場閉鎖などの危機にさらされることになる。
その渦中のGMに対し、なんとクライスラーへのTOBで名を馳せたあのカーク・カーコリアン氏率いるトラシンダ社が、最大で2800万ドルのGM株を購入する、と発表。
カーコリアン氏はこの買収のために8億7000万ドルの資金を用意しているという。もし買収が成功すれば、トラシンダ社はGM株の8.84%を所有する大株主となる。
このTOBはGMの株主総会が開かれる今年6月7日をメドにしており、クライスラーからGMに乗り換えてカーコリアン氏の自動車メーカー所有欲は健在か、と業界の話題を集めている。
ホリエモンよりさらに大物の、おそらくは最後の賭けとなるのか、このTOBの行方にGMの将来がかかる、という事態にもなりかねない状況だ。