●欧州へ、世界へ、右ハンドルも
——最初の仕向け地はドイツですが、その後の計画は。
金山 10月くらいからイタリア、来年からはフランスなどへと順次拡大したいですね。将来は右ハンドルの英国も考えていきます。
——取りあえずは年5万台の能力にしたわけですが、敷地規模からは相当拡大できそうですね。
金山 どのモデルをつくるかによってですが、ここのスペースを全部使えば20万台くらいは行けます。鈴鹿よりちょっと小さいくらいですから。
——欧州にとどまらず、ここから世界各地にということも?
金山 可能性はあります。ただし、何台つくれるかは、お客様にどれだけ買っていただけるかですから、今はそこをきちっとやることです。現状では中国からの自動車輸出はスポット的で、途上国向けが主体です。われわれは、品質要求の高い欧州に出し、正規の販売ルートに乗せて長期のアフターサービスも行う。これも初めての試みであり、これまでの中国からの輸出と違うところです。
当社の日本人スタッフには、クルマでお客様に喜んでもらう商品づくりだけでなく、中国の皆さんの期待に応えようと訴えています。企業市民として、それこそホンダでいうところの「存在を期待される企業」にもなっているわけですから、その期待に応えようということです。
プロフィール:金山裕則(かなやま・ひろのり)---1976年青学大文学部卒。80年ホンダ入社、海外営業部門に従事し81年からナイジェリア、93年からパキスタンに駐在。98年広州ホンダ設立と同時に同社駐在。03年ホンダ汽車設立に伴い総経理就任。富山県出身、51歳。
●ホンダの夢と中国の願いと
●コストは日本製とどっこい、国産化率を高める
●塗装実習1000本ノック
●欧州へ、世界へ、右ハンドルも