【新年インタビュー】ホンダ今井武室長、インターナビのボトルネックを語る

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【新年インタビュー】ホンダ今井武室長、インターナビのボトルネックを語る
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◆北米アキュラリンクとは何か

--- ところで先日、ホンダが日本でも「アキュラ」ブランドを導入すると発表しました。テレマティクス分野でいうと、北米アキュラブランドには人工衛星を使ったサービス「アキュラリンク」もあり、こちらも気になるところです。

今井 まずアキュラリンクの仕組みですが、北米のXMラジオサービスの中にアキュラ専用のチャンネルがあります。サービスはアメリカホンダからのメッセージ配信と、XM音楽放送、XMトラフィック情報の配信がメーンです。料金は初年度は無料で、2年目からはXM音楽放送で月額$12.95、XMトラフィックで月額$9.99、両方セットだと月額$16.95になります。対応車種は現在はアキュラRLのみですが、今後、広げていきます。

--- 渋滞情報はどのようなサービスですか?

今井 日本のインターナビのようなものとは違って、VICSに近いものです。地図への渋滞情報オーバーレイ表示はしていますが、情報自体にリンク旅行時間を含まないので、渋滞情報の内容はVICSレベル2相当ですね。高速道路のみで、一般道の情報もありません。あと精度の点でも、州によってバラツキがあります。

--- サンフランシスコではETCシステムを使っていましたが、これは精度の高い方になりますか。

今井 ええ。おおざっぱな州ではヘリコプターを飛ばして、高速道路を目視して「渋滞はこんなもんだろう」なんていうところもあります(笑)

--- アメリカホンダのアキュラ専用チャンネルでは何をしているのですか。

今井 基本的にはCRMです。サービス情報などの配信をやっています。配信情報にタグをつけることで、個々のお客様にあてたメッセージ配信もできる仕組みになっています。

--- アキュラリンクの狙いは、やはりCRMということになるのでしょうか。

今井 そうですね。アキュラリンクは1997年頃に構想が立ち上がって、アメリカホンダがカスタマーリレーションをやろう、という話になりました。当時、オンスターなども立ち上がっていたのですが、北米は携帯電話インフラが未成熟なんですよね。そこにXMラジオが出てきて、「これは将来、CRMに使える」ということで出資をして、専用チャンネルを確保しました。

--- アキュラリンクは申し込み型のサービスですよね。お客様の加入率は高いのですか?

今井 これがうまくできていて、アキュラリンクはXMラジオがあるから成立するサービスです。アメリカは国土が広く、移動距離が長いこともあって、衛星ラジオ局のニーズが高いのです。アキュラRLにはXMラジオユニットが標準装備されていて、(アキュラリンクとして)初年度無料でXMラジオが使える。1年間、使うのに慣れれば、XMラジオのニーズで契約継続が見込めるという仕組みになっています。


“つながるクルマ”本命インフラ議論
詳細
押し込み
日時
2006年2月6日(月)
午前10時30分−午後6時
会場
東京コンファレンスセンター品川
公開ディスカッション
日産自動車 先行車両開発本部IT&ITS開発部 主管
福島正夫 氏
本田技研工業 インターナビ推進室 室長
今井武 氏
ウィルコム 執行役員 ソリューション営業本部長
瀧澤隆 氏
ITS事業企画 取締役社長
小池建四郎 氏
通信・ITSジャーナリスト
神尾寿 氏
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《神尾寿》

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