【清水和夫のサステナブル・リポート】三菱i MiEV その2…開発人対談 橋本徹 MiEV事業開発推進室長

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【清水和夫のサステナブル・リポート】三菱i MiEV その2…開発人対談 橋本徹 MiEV事業開発推進室長
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■環境に優しく、エネルギーの可能性を求めてEVを開発

清水:CO2による地球温暖化、限りあるエネルギー資源など、もはや環境問題はクルマだけにとどまらない局面を迎えています。ちなみに、私の家では都市ガスを使った燃料電池を設置。家庭用電力をまかなっているのですが、ここで作られた電力をクルマにも利用したら……。そんな10年後のクルマの姿をイメージさせ、実現するのが家庭用電源から充電できる電気自動車。三菱自動車の i MiEVは、まさにその先陣を切ろうとしているわけですが、まず、今回の企画の着目点、また、開発への取り組みから教えていただけますか?

橋本:じつは、三菱自動車の電気自動車への取り組みは細々とですが40年前から行なっていて、今回のプロジェクトが本格的にスタートしたのは3年前の3月からになります。当初は、「なぜハイブリッドではなく、電気自動車なんだ?」とずいぶんいわれました。成功を収めたトヨタ・プリウスの例もありましたしね。しかし、ハイブリッドでは、トヨタさんを周回遅れで追いかけていくことになる。また、パッケージ面でもクリアしなければならない問題が多すぎました。さらに、一次エネルギーを考えると、やはり電気だったんです。太陽光、原子力、風力、水力……といった発電。環境面でメリットの大きいエネルギーを使うべきだ、と。

清水:たしかに、電気のよさってなんなのか? を改めて考えてみると、多様性というのか、いろいろな形態から作り出すことができる点。その究極が水素電池ですね。

橋本:燃料と違って、電気は万国共通である点も見逃せません。

清水:現在、EVが最近出てきたモダンな技術のように思われてますが、歴史をひも解いてみると、クルマの動力として、電気モーターのほうがピストンエンジンよりも先に誕生。EVが主力だった時代がありますよね。私はハイブリッドを否定していませんし、今後も進化していくと思いますが、あくまでもピストンによるエネルギーが基本で、電気モーターはターボチャージャーのようなパワーサプリメント。もっとコアな、本質的な部分を進化させないといけない段階にきているのかな? とも感じています。

橋本:地球温暖化が大きくクローズアップされている昨今の状況は、クルマ単体からはCO2をまったく出さない電気自動車にとって追い風。もはや出てこざるを得ない状況といっていいでしょう。正直、i MiEVの開発は環境対策でクルマがもがき苦しんでいる時代からのスタートでしたが、しかし、厳しかったからこそ、新しいチャレンジも生まれました。むしろエンジニアにとって、やりがいのある時代ではないかと思えるのです。

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《清水和夫》

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