【D視点】先祖がえりが話題の…VW ゴルフ 新型

自動車 ニューモデル 新型車
【D視点】先祖がえりが話題の…VW ゴルフ 新型
【D視点】先祖がえりが話題の…VW ゴルフ 新型 全 17 枚 拡大写真
3
単純なものほど美しい

産業革命により、技術至上主義的な考え方が台頭していた1919年、ワイマール(ドイツ)に造形芸術学校「バウハウス」が設立された。初代校長グロピウス、3代目校長ミースをはじめ、カンディンスキー、モホリ=ナジ、イッテン、そしてブロイアーなどが教鞭をふるった。

当時活躍していた芸術、デザイン、そして建築家などで構成された多彩な教授陣からも分かるように、合理主義的な造形教育を中心にしながらも、表現主義的な要素を含んだ芸術性豊かな作品を生み出した。その後、表現主義は欠落したものの、世界の工業デザインの元祖的存在となっている。

筆者が受けたデザイン教育もバウハウスの系統で、「単純なものほど美しい」という言葉が印象に残っている。同じ風土からは、同じような思想や芸術が育つと言われているが、フォルクスワーゲンのデザインも、バウハウスとの共通性を感じさせる。次期モデルチェンジでは、イタリア女性に秋波を送るのは止めて欲しいものだ。

余談だが、ジウジアーロはゴルフを自分の作品とすることを拒んだとの噂もある。ドイツのデザインが、ゴルフのオリジナルデザインを蝕んでいた可能性は否定できないが、初代ゴルフと、5代目ゴルフとを比べることは、デザインの違いを考える良い題材であることは確かだ。

D視点:
デザインの視点

筆者:松井孝晏(まつい・たかやす)---デザインジャーナリスト。元日産自動車。「ケンメリ」、「ジャパン」など『スカイライン』のデザインや、社会現象となった『Be-1』、2代目『マーチ』のプロデュースを担当した。東京造形大学教授を経てSTUDIO MATSUI主宰。【D視点】連載を1冊にまとめた『2007【D視点】2003 カーデザインの視点』を上梓した。
  1. «
  2. 1
  3. 2
  4. 3

《松井孝晏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「本当に世に出るとは」車重わずか1トンで800馬力V12、「超アナログ」スーパーカー…新型車記事ランキング 8月
  2. さらなる人馬一体へ!NDロードスター用「リビルトエンジン」発売、価格は65万7800円
  3. ホンダ『フリード』がニューレトロに!? ダムドが専用ボディキットのデザインを先行公開 発売は2025年冬
  4. メルセデスベンツ『Gクラス』、オープン「カブリオレ」復活へ
  5. 「ミニプリウスになったな」トヨタ『アクア』改良モデルの「ハンマーヘッド」採用にSNSも注目
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る