パリのEVシェアリングは2011年開始

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パリのカーシェアリング(写真=森口将之)
パリのカーシェアリング(写真=森口将之) 全 4 枚 拡大写真

フランスのパリが2008年に導入を発表した、電気自動車(EV)によるカーシェアリング「オートリブ」の運用開始時期が、11年9月に決定した。

パリでは07年に公共自転車(コミュニティサイクル)の「ヴェリブ」がスタートしており、2年間の累計利用者数が5300万人に達するなど、交通手段のひとつとして完全に定着している。オートリブはこれの自動車版である。

考え方はカーシェアリングに似るが、車両規格を統一し、借り出しと異なる場所への返却を可能とした点など、ヴェリブとの共通項も多い。そのため公共自転車になぞらえて、公共自動車(コミュニティカー)と呼ぶこともある。

同様の事業としては、08年にダイムラーがドイツのウルムで運用を開始し、翌年アメリカのオースチンにも導入した「Car2Go」がある。しかしフランスはその前から、環境にやさしいEVを使ったプロジェクトを推進してきた。

1997年にパリ近郊のサン・カンタン・アン・イヴリーヌでルノーのEVを使った「プラクシテル」という名の実証実験を行ったあと、2年後に大西洋岸のラ・ロシェルでPSAプジョー・シトロエンのEVを用いた「リゼレック」を開始。現在も運営を続けている。

Car2Goが自動車会社主体の事業なのに対し、フランスの場合は自治体や電力事業者との共同プロジェクトである点も違いだ。オートリブもパリ市が主体になっている。公共性の高いモビリティを1民間企業に委ねるのは問題があるという判断だろう。

オートリブは規模も注目である。ウルムのCar2Goが22か所のパーキングと200台の車両で運用しているのに対し、オートリブのパーキング数は1000か所、車両は3000台と、数字だけ比べてもケタ違いだ。

利用料金は会費が月額15 - 20ユーロ、使用料が30分ごと5ユーロの予定だというオートリブ、実現すれば世界最大級の公共自動車ネットワークになるだろう。

《森口将之》

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