マツダ、次世代ATは ダイレクトでスポーティ

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次世代オートマチックトランスミッション SKY-Drive
次世代オートマチックトランスミッション SKY-Drive 全 9 枚 拡大写真

1月30日に創業90周年を迎えたマツダは2月1日、環境技術に関する説明会を開催した。東京モーターショーでプロトタイプを初披露した次世代ガソリン、ディーゼルエンジン、自動変速機の来年からの投入を控え、あらためて環境技術開発の進捗状況を開示した。

「昨年は本当に厳しい1年だった。今年も決して楽ではないと思う。そのなかで、2011年から2012年にかけてデビューする次世代パワートレインには大いに期待している。ウチの規模だと、国内はやはりニッチマーケット中心になる。クルマをドライブすることに喜びを覚えるユーザー層の心をとらえるクルマを出して、存在感を示していきたい」

常務執行役員で国内営業本部長の稲本信秀氏はこのように、次世代パワートレイン「SKY」シリーズの投入による商品力アップに期待感を示した。もともとパワートレインの開発を担当していた稲本氏は、SKYの仕上がりに並々ならぬ自信を見せる。

「ユーザーの皆さんに体感していただきたいのは新型AT。まだセッティングを煮詰めている段階ですが、変速のフィーリングはものすごくダイレクトでスポーティ。それでいて、フォルクスワーゲンなどが採用しているDCT(機械式自動変速機)に比べて発進加速や変速のカドは丸いという感じです。ロックアップ領域はJC08モード時で8割を超え、燃費にもいい」(稲本氏)

この新型ATの中身はトルクコンバーター式であること以外、一切明らかにされていないが、開発に関わっているあるエンジニアによれば、いくつかのギアセットを持つ一般的な遊星ギア式ATとは異なるシステムであるという。

プレゼンテーションの際、エンジンとトルクコンバーター後のインプットシャフトの回転数のグラフが示された。まだセッティングを煮詰めている状況とのことだが、現時点で両者の曲線は発進時以外はほとんど一致していた。高負荷時のデータはまだ不明だが、少なくともハーフスロットル領域では、湿式多板クラッチを使ったDCTと同等という開発目標は十分に達成可能であるように見えた。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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