メルセデスベンツ日本は2月24日、プレミアムEセグメントモデルの『Eクラス』にクリーンディーセルエンジン搭載モデル「E350 BlueTEC(ブルーテック)」を導入した。同日フルモデルチェンジされた「Eクラス ステーションワゴン」にもクリーンディーゼルモデルが設定されている。
旧型のクリーンディーゼルモデルであった「E320CDI」の3リットルV6・DOHターボディーゼルを継承しながら、排気系統に新たにアンモニア雰囲気の中で有害物質のNOx(窒素酸化物)を窒素と水に還元する尿素SCR(選択還元触媒)を装備。日本のポスト新長期排出ガス規制、欧州の次世代排出ガス規制であるユーロ6、アメリカの排出ガス規制であるTier2BIN5と、世界の3大規制をクリアした。
クリーンディーゼルはハイブリッドカーと並び、環境対応車普及促進税制、いわゆるエコカー減税が適用され、自動車取得税と重量税が100%減税(免税)となる。E350ブルーテックはセダン、ワゴンとも、この優遇税制の対象となっている。自動車グリーン税制による自動車税の減免については対象外だが、スクラップインセンティブを受ける場合、セダンで最大67万円、ワゴンで同68万円の優遇措置が受けられるという。
このE350ブルーテックはセダン、ワゴンとも充実した装備を持つ「アバンギャルド」グレードで、価格はセダンが税込み798万円、ワゴンが833万円。両方とも旧E320CDIより大幅にディスカウントされ、3.5リットルV6ガソリンエンジン搭載モデルに比べて52万円安い。
ハンス・テンペル社長は「日本にもクリーンディーゼルの素晴らしさを広めたい。そのためにユーザーのディーゼル車購入への価格的ハードルを下げた」と、戦略的価格設定であることを明かす。メルセデスベンツ日本関係者は、「Eクラスの中で最も売れているE350の購入層のうち、相当数をクリーンディーゼルに誘導したい」と語る。
ディーゼルエンジンは高速巡航や地方道などで特に燃費効率が高い。メルセデスベンツ日本はそのディーゼルの最新モデルを投入することで、日本市場での技術イメージを高めていく考えだ。旧型に比べ、格段に価格競争力が増していることから、セールスへの期待は高い。果たしてクリーンディーゼルのユーザー層を広げることができるか。