10日夕方の東京・浅草、浅草寺の雷門前は、最後のお願いをする街宣車であふれていた。それも1党1台ではなく、演説をする横で、別の街宣車が場所待ちをする。終わるとすぐにその場を取ってかわるほどの賑わいだ。
街宣車の上から拡声器で演説を続ける候補者の下を、人混みをかき分け通り過ぎたのは、現職、自民党参議院議員の神取忍氏(45)だった。後ろにはのぼりを持つ徒歩数人のキャラバン隊。横浜からいっしょに地下鉄を乗り継いでやってきた。
最初はキャンピングカーを移動選挙事務所にしたが、最終日の都内は、とにかく歩いた。雷門から浅草観音堂裏の約1kmを一気に歩く。歩き切って、支援者の飲食店で給水し、さらにその先の商店街へと足を伸ばす。
女子プロレス24年のキャリアを持つ彼女のファンは多い。握手を求める人、肩をたたき激励する人、携帯で写真を撮る人。時には神取氏から駆け寄って握手をした。さらに、人垣がなくなると、小走りに駆け出し、再び群衆の中へと入っていく。一回り年下のスタッフは、振り回されっぱなしだった。
余り知られてないが、神取氏はバイク乗りだ。自民党オートバイ議員連盟のメンバーで、2008年と09年の参議院環境委員会で「自動車がエコカーなどの買換えを促進しているのに、バイクはまだまだその対応が進んでいない」と発言している。