SKYACTIVの挑戦---マツダが見る青空

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内燃機関の進化と電動デバイス
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●ブレイクスルーは地味

「燃費と動力性能の両方を向上させる」。「環境性能と走る喜びを両立させる」。どれも言うだけなら簡単なカタログコピーのようだが、実際には相反する条件でもあるだけに、実現させるのは並大抵の苦労では済まない。レシプロエンジンやクルマが熟成されてきた現代においては特に難しい課題だ。

新技術と言うからには細かな熟成や改良、新開発の技術が盛り込まれて、機械的な性能が向上しているのは当然のことだが、マツダが発表したSKYACTIVは、従来からある定説を検証しなおし、新たな発見を見つけることで新たなステップを導き出したと言う点が特徴だろう。

従来の常識に捕われず、斬新な発想で難題を打ち破る。ブレイクスルーと言えばカッコいいが、実際には地味な研究開発の賜物である。例えば、ノッキング限界トルクという理論に裏打ちされたデータを頭から決め付けず、ダメ元でも試してみる。試作を厭わず、困難な課題に挑戦した成果がSKYACTIVであった。

ダウンサイジングは、エンジンの小型軽量化と低負荷時の省燃費性を過給機を利用することで実現するアプローチが主だが、マツダはNAで排気量を維持したまま、同じ効果を実現しようというのだ。

これならエンジンの未来は明るい、と思わせてくれるに十分な内容である。2011年前半には投入されるという、新しいプラットフォームを採用した『デミオ』の出来が非常に楽しみになってきた。


筆者:高根英幸(たかね・ひでゆき)---芝浦工大卒。自動車販売会社、輸入車専門誌の編集者を経てフリーランスに。メカニズムへの探求心とドライビングの楽しさを追求する、独自の視点をもつ自動車ジャーナリスト。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。
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《高根英幸》

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