気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2011年11月2日付
●参院もメール情報流出、送信先画面に中国の簡体字、ウイルス感染か(読売・1面)
●夏より厳しい節電対策、政府、今冬の需給策決定(読売・2面)
●タイ生産再開年内は微妙、副首相「工業団地復旧に8週間」(読売・7面)
●日本企業迫られる海外進出、世界に挑む社員教育急務(読売・9面)
●独仏首脳、緊急会談へ、国民投票ギリシャ側と協議、欧米株が急落(朝日・1面)
●日本の年末商戦に冷や水、タイの洪水被害商品生産に波紋(朝日・1面)
●米産車韓国へ輸出、トヨタ、FTAを視野(朝日・9面)
●ミニバン国内生産停止、タイ洪水、トヨタ4車種方針(毎日.・8面)
●国内新車販売25%増、10月震災の影響解消(毎日・8面)
●対北渡航自粛を緩和、サッカーW杯予選、公式ツアー限定(産経・2面)
●タイ洪水、日産、ホンダ二輪は再開へ(産経・10面)
●直球緩球:マツダ会長兼社長、山内孝氏、ディーゼル新市場を開拓(日経・10面)
●首都高新料金、来年元日から、路線区別なし、ETC車なら距離ごとに加算(産経.・11面)
●TPPルール主張困難,米「参加承認に半年」政府内部文書(東京・1面)
●超人?ロボ、トヨタ介護用実用化へ(東京・7面)
●日産、中国で高級車生産、戦略立案、香港に集約、新興国の富裕層照準(日経・1面)
●「首都排水に2か月以上」タイ対策チーム見通し(日経・1面)
●環境激変苦悩の日本勢、トヨタ「国内生産・輸出理屈ではムリ」(日経・9面)
●パナソニック茂原工場、3社連合が買収へ(日経・11面)
●ホンダ、ブラジルでも生産調整、タイ洪水の余波拡大(日経・12面)
●スズキ、インド販売半減、10月の新車、労使紛争・金利高響く(日経・12面)
●富士重、純利益27%減、4~9月(日経・15面)
ひとくちコメント
日本国内の「年末商戦」を直撃する恐れまで出てきたタイの洪水被害だが、浸水したタイの工業団地などに進出している日系企業にとっての最大の関心事は、排水を終えて工場の操業再開がいつ頃になるのかという今後の見通しである。
そんな疑問に応えるため、きょうの読売と日経は、洪水対策に取り組むタイ政府のキーマン2人にそれぞれ単独取材を行っている。
読売は、タイのキティラット副首相兼商業相に単独会見し、タイ中部のアユタヤ、パトムタニ県で洪水により水没した7つの工業団地の操業再開は「8週間以内になる」と述べ、年内の再開は微妙との見通しを明らかにしたという。
その理由としては「排水開始まで1週間半、排水作業に2週間、機材交換に2週間、システム回復に2週間かかる」としている。
一方、日経は、タイ政府の洪水対策チームのメンバーで、排水作業を統括するアーノン地理情報・宇宙技術開発庁長官代行を単独で取材。被害を広げたタイ湾の大潮が去り、浸水がバンコク中心部に及ぶ可能性は下がった「首都バンコクの浸水地域がすべて排水を終えるまでに、2か月以上かかる」との見通しを明らかにしたという。河川沿いの防水堤には、「少なくともあと1か月間は決壊の恐れが残り、なお警戒を要する」としている。
両紙の報道から推察すれば、自動車関連の操業再開は工場がまるごと冠水したアユタヤのホンダ工場を除くと、三菱自動車の益子修社長が10月末の中間決算会見で明らかにした「1か月半程度」という見解が現実味をおびてきた。しかし、タイにある多くの部品会社が直接被災し、サプライチェーンの寸断で、トヨタの北米や国内工場、ホンダの北米やブラジル工場などでも生産調整に追い込まれるなど、タイ洪水の影響がさらに広がる懸念もあるだけに予断は許せない。