BASFの世界カラートレンド予測発表…アジア・パシフィックは「母国の香り」

自動車 ビジネス 企業動向
BASFのカラートレンド予測 アジア・パシフィックの今年のテーマ“Scent~母国の香り~”
BASFのカラートレンド予測 アジア・パシフィックの今年のテーマ“Scent~母国の香り~” 全 6 枚 拡大写真

BASFコーティングスは毎年、2~3年先のカラートレンドを発表しており、今年のテーマは“Wide Awake”。日本語では“すっきりした目覚め”とした。

このグローバルのテーマをもとに、世界共通のカラートレンドと、アジア・パシフィック、欧州、北米それぞれ地域ごとのカラートレンドを予測している。

アジア・パシフィックの今年のテーマは“Scent~母国の香り~”である。「目まぐるしく変わってきたアジアの新興国でも、経済が少しスローダウンし、立ち止まって考えるゆとりが出てきました」と語るのは同社カラーデザインセンターアジア・パシフィックチーフカラーデザイナーの松原千春氏。そして、「これまでは欧米や日本の商品をそのまま憧れて受け入れてきましたが、はたと、自分の国のカルチャー、アイデンティティは何かと考え、自分の国の文化を見直して、それを洗練させて取り入れる傾向が、少しずつ見られ始めています」とする。

その一例として、松原さんは、「中国では、以前はセダン一辺倒だったのが、近年SUVの人気が出てきています。高級感一辺倒ではなく、また、みなと同じではなく、少し自分らしさを表現する、もしくは自動車もただ高級感や保守的なものではなく、遊びにも使えるような、ファミリーも考えたような使い方などに価値観が動いてきたということでしょう」。そのカラーも、「黒やダークカラーから、SUVの人気などを反映して、グリーンのカラーや、ブラウン系など、アウトドアなイメージのカラーも出てくると予測しています」。

また、「ソリッドのレッド一辺倒ではなく、ゴールドの表情をつけたようなレッドや、ベージュ系のカラーは中国の高級車では定番色なので、ものすごく目立つというわけではないが、アジア・パシフィックならではの重要なカラーとして提案しています」。

欧州は、“PLY~多層性~”だ。「色々な文化がぶつかり合って、そこで生まれてくる新しい美しさというのがテーマです。発想の転換や常識が変わっていくというコンセプトが背景にあり、今までに見なかったような色も出てくるのではないかと思います。すっきりとはしていませんが、味わい深い色が欧州でも出てくるのではないかという提案」。

北米のカラーは“COPE~真摯に取り組む”である。「景気は回復してきても、少し安定志向のところがまだ残っているので、一見渋いグレー系が多いです。しかし、暗いところで見るとグレーだが、光をあてるとすごく個性が強調されるタイプのカラーも出てきています。また、マットカラーでも、もっとさらさらしたタッチなど触感に訴えるような、考え込まれた意匠で表現することがテーマになっています」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  2. 15歳から運転できる「小さいオペル」に興味アリ!「通勤用にこういうのでいいんだよ」など注目集まる
  3. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  4. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  5. 日産 リーフ 新型をライバルと比較…アリア、テスラ、bZ4Xと何が違う?
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  3. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る