気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2012年11月6日付
●トヨタ営業益上方修正、1兆500億円、3月期予想、1000万台生産は断念(読売・1面)
●米大統領選きょう投票(読売・1面)
●旅行会社、下見せず、万里の長城遭難、死者3人に(朝日・1面)
●中国での販売台数、減少続く、マツダ・富士重、下げ幅拡大(朝日・6面)
●ご先祖様トヨタ式で安眠、納骨堂、狭くても便利に(朝日・6面)
●レースで加速エコカー開発、「走る実験室」市販車へ技術環流(産経・3面)
●「アクア」初の首位、10月新車販売「プリウス」上回る(日経・9面)
●中国販売20万台下振れ、トヨタ副社長、下期見通し(日経・9面)
●軽自動車レース混戦、ホンダの本気。利幅改善、フィット超す(日経・11面)
トヨタ自動車が2013年3月期連結決算の業績予想を、本業のもうけを示す営業利益を8月公表時点の予想から500億円多い1兆500億円に、また、税引き後利益は200億円多い7800億円に引き上げた。
2012年9月中間決算と同時に上方修正を発表したもので、きょうの各紙も「トヨタ営業益上方修正1兆500億円」(読売)、「トヨタ、北米・アジア順風、実力以上の結果」(朝日)などと1面や経済面で大きく報じている。だが、売上高は、尖閣諸島の問題以降、販売不振が続いている中国の影響などで減少を予想、当初よりも7000億円少ない21兆3000億円を見込んでいる。
それでも、利益が上向くと見通したことについて、財務担当の小澤哲副社長は「実力以上の結果となった。追い風参考記録と受け止めている」と述べたほどである。
これまで、連結の足を引っぱていた単独決算でも12年4~9期は営業利益が黒字に転換。「黒字化へ一歩前進」(小澤副社長)のようだが、ただ、通期では200億円の赤字を予想。
トヨタの200億円は為替変動などでどうにでもなる数字だが、以前「業績が良くなると高いワインを注文する社員が増えた」(トヨタ幹部)という話も耳にした。敢えて堅く赤字を見込んだのも全社をあげて取り組んでいるコスト削減のタガを緩めないためだろう。