懐かしのミャンマーを行く(7)ヤンゴン現地事情

エマージング・マーケット 東南アジア
懐かしのミャンマーを行く (7) ヤンゴン現地事情
懐かしのミャンマーを行く (7) ヤンゴン現地事情 全 3 枚 拡大写真

(5)ヤンゴン現地事情

【画像全3枚】

ホテルへ戻り、着替えてから出掛ける。これまでは全てTTMかSSが付いてきて、何でもしてくれたが、これからは一人で行動しないといけない、と思い、敢えてアテンドを断る。だがヤンゴンの交通手段はバスかタクシー。バスに乗れるほどの知識はなく、先ずはタクシーに乗ってみる。初めての体験。ドキドキ。

ホテルの前のタクシーに声を掛け、「さくらタワー」と言うと「2000チャット」といわれて乗り込む。実に呆気ない。タクシーの旧式のトヨタ。きれいとは言えないが、悪くはない。ホテルからさくらタワーまで30分近く掛かった。結構遠いのだな、と初めて実感。そしてさくらタワーの周囲の車の多さにこれまた実感。ヤンゴンは実に車が増えた。

  

旅行会社の日本人Oさんを訪ねた。15年前からヤンゴンに住み、旅行業をやっているが、今年に入ってからの異常なまでの出張者の多さ、ホテルの異常な値上がり、これまでには考えられない。向かいにあるトレーダーズホテル、以前は1泊50ドルだったが、今では250ドルとか。流石に泊まる人が減ったので空いているらしいが、ホテル側は強気だ。

これまでのミャンマー旅行と言えば、戦争中にこの地で亡くなった日本兵を偲ぶ家族の慰問だとか、戦争でミャンマーに世話になった人々が恩返しに訪れるなどが主流だったが、最近はその人々が高齢化し、観光客は減っていた。今年のこの騒動で、観光客は更に激減した。ヤンゴンのホテルは不相応に高く、国内線の料金も国際線並みに高い。他のアジア諸国へのパッケージ旅行と比べて、全く見劣りするらしい。

ランチには近くのカフェでミャンマー人と結婚したIさんも参加してくれた。Iさんのご主人一家はミャンマーでは上流階級に属するようで、色々と面白い話が出て来た。中でも親族にスーチーさんの熱狂的支持者の女の子がおり、皆で止めても辞めないなど、今のミャンマーの現実そのものだ。スーチーさん、以前は人気が無かったが、昨今の西側との融和はスーチーさんが作り出し、国内改革もスーチーさんがやっていると信じる若者が出て来ている。これは初めて聞く衝撃的な事実だ。この盲目的な支援者が次の火種になりかねない、そういうことだろう。

その他、最近はやはり寿司を一家で食べに行くとか、カフェが流行っているとか、本当に現地情報を得ることが出来た。勿論現地に住む人々にとってミャンマーが良くなることを願ってはいるが、世の中そう簡単ではないことぐらい、十分承知といった雰囲気があり、だからこそ、日本の訳の分からないミャンマーブームなるものが一過性で終わることを危惧している。

懐かしのミャンマーを行く (7) ヤンゴン現地事情

《須賀 努》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. レクサスの新型「6輪ミニバン」の全貌が明らかに!「LS」はラグジュアリーセダンから「ラグジュアリースペース」へ…ジャパンモビリティショー2025
  2. 「ランクルと戦える」日産の大型SUV『パトロール』日本発売へ、SNSでは「売れるんじゃないか?」と期待の声
  3. みんなが待っていた! ダイハツ『コペン』が復活、堂々の予告…土曜ニュースランキング
  4. モチーフはピックアップトラック、『ジムニーシエラ/ノマド』用の新型フェイスキット「CH:AMP」が登場
  5. 3輪電動モビリティ「Raptor」、新デザインモデル初公開へ…ジャパンモビリティショー2025
  6. MASERATI 111th “永続する美と走り”をいま、あなたの週末へ。PR
  7. 38kg軽量化とダウンフォース3倍増を実現! 無限『シビックタイプR』用「Group.B」パーツ群が発売
  8. 「GRカローラのライバルに」インプレッサSTIの系譜、復活なるか? スバル『パフォーマンスB STI』公開にSNS興奮
  9. コンセプトカーはいっさいナシ!前回とは180度違う、日産の展示から見えた「リアルへの追求」とは…ジャパンモビリティショー2025
  10. ホンダのアドベンチャー・スクーター『ADV160』とその実力は?…10月のモーターサイクル記事ベスト5
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る