フン・セン首相、三輪タクシー「シクロ」の保全を訴える…カンボジア・プノンペン

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昼寝をするシクロドライバー
昼寝をするシクロドライバー 全 1 枚 拡大写真

フランス植民地時代、プノンペンの街にシクロが走るようになった。シクロとは、ベトナムとカンボジアを中心に利用されている三輪自転車タクシーである。シクロは前に乗客が座るようになっており、全身に風が当たる爽快感は他の交通機関では味わえない独特なものがある。シクロは一世紀もの間プノンペン庶民の足として愛されてきた。現代、プノンペンの街頭を占拠しているのは、バイクであり、カムリであり、レクサスである。シクロは時代の波の中徐々にその姿を消しつつある。

11月26日、フン•セン首相はこのプノンペンの歴史ある乗り物の保護を訴えた。フン・セン首相は「シクロはプノンペンを訪れる観光客にとって、とても興味深い乗り物だ。私はシクロの保全に尽力したい。」と述べた。

現代においてシクロは、バイクを買うことができない貧しい人々の、日々の生活費を稼ぐ手段の一つとなっている。シクロドライバーのビー氏(32歳)は「多くのプノンペン市民はバイクタクシーやトゥクトゥクを好むが、中高年層の中にはまだシクロを利用する人がいる。しかしそれだけでは生活が成り立たず、多くのシクロドライバーがこの仕事を辞めていくのが現状だ。」と述べた。「シクロはもはや日常の乗り物ではなくなりつつある。多くのプノンペン市民は、シクロという文化を軽視しており、このままではシクロは近い将来、プノンペンの街から姿を消すだろう。」と語った。

一方、シクロを保護する運動を行っている人たちもいる。2年前に発足したシクロ保全協会(CCCA)では、シクロドライバーに仕事を斡旋しドライバー達の生活を影ながら支えている。同協会に所属するドライバーは一日平均10ドルほどの収益がでているという。

CCCAのイム会長は「シクロは仏領インドシナを象徴する乗り物であり、現代においても観光の目玉となるポテンシャルがあると思う。シクロは低予算で購入できるため、貧困層にとって魅力的な職業になり得るはずだ。」と述べた一方、プノンペン市内のシクロの総台数は、2008年の1500台であったが、今年の調査では700台までまで減少していると述べた。「老年のシクロドライバーは次々に引退し、プノンペンに出稼ぎにくる若者たちは、シクロドライバーではなく、縫製工場など他の職業を選択するようになった。シクロ保全は民間だけの力だけでは成り立たないのが現状だが、今回の首相の発言に希望を見た。これを機会に、シクロには国家を挙げて保全をするだけの価値があるということを、多くのプノンペン市民達に知ってほしい。」と語った。

シクロはプノンペンの熱気と喧騒に揉まれながら、ゆっくりと進んでいく。

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