懐かしのミャンマーを行く(18) 煎餅の原型がここにはあった

エマージング・マーケット 東南アジア
懐かしのミャンマーを行く (18) インレー湖 日本の食べ物の原型を見る
懐かしのミャンマーを行く (18) インレー湖 日本の食べ物の原型を見る 全 6 枚 拡大写真

(8)インティエンの食べ物

そろそろボートへ戻るのかと思っていると、川の上流へ。そこは小さなダムになっていたが、その周辺では本当に昔ながらの生活が営まれていた。川で洗濯し、体を洗い、そして水を汲む。

我々が歩いていると、年配の女性が前に鍋を置いて座っていた。TAMが彼女に声を掛けると、彼女は立ち上がり、鍋に砂を敷き始めた。いぅたい何が始まるのかと見ていると、何とその砂鍋で大き目の煎餅を焼き始める。

そしてもっと驚いたことは、彼女は年配の女性ではなく、若い女性であり、その懐には赤ちゃんを抱えていた。彼女はここに座って煎餅を焼いてどれだけの収入になるのだろうか。赤ちゃんは生きていけるのだろうか、と余計な心配をしてしまった。何故かあの姿を見ると今でも涙が出そうで困る。TAMは一瞬にして彼女の状況を見抜き、さり気無く支援をしたのだと思う。その煎餅にはほんの少し砂が付いていたが、添加物などはまるでなく、実に実に自然な味がした。

更にボート近くへ戻ると、そこにはまるで日本のたこ焼きのような物が作られていた。食べてみるとタコは入っていなかったが、たこ焼きの外側に違いない。結構おいしいので幾つも抓まんでしまった。シャン州にはこのように日本の原型ではないかと思われる食べ物が沢山ある。いつの間にか市場は終わっていた。片付けのしている子供たち、その向こうには日本人の援助で出来たという学校がひっそりと建っていた。

懐かしのミャンマーを行く (18) インレー湖 日本の食べ物の原型を見る

《須賀 努》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 販売わずか3年の希少車種、「角目」のいすゞ『117クーペ』【懐かしのカーカタログ】
  2. 30年ぶりの快挙!ランチア『イプシロン ラリー4 HF』、欧州選手権で初勝利
  3. 【ボルボ XC60 ウルトラB5 新型試乗】大胆緻密なマイチェンが証明する、ベストセラーであり続けている理由
  4. 「めちゃくちゃ好きでした、さよなら」フォードGTの販売終了に対しファンからは悲しみの声
  5. 第3世代e-POWERの日産『キャシュカイ』が無給油で英国縦断! その実力に日本導入への期待高まる
  6. 【日産 ルークス 新型】「ルークスはパイクカー」開発デザイナーが立ち返った“軽ならではのデザイン”とは
  7. ブラバスがロールスロイスSUVをカスタム! ワイドボディに700馬力の12気筒ターボ搭載
  8. ランボルギーニ、世界29台限定の新型『フェノメノ』登場に大興奮!「めっちゃ好き」「よくやったランボ」と高評価の声
  9. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
  10. 日産『リーフ』新型、米国EV最安値の約440万円から…今秋発売へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る