【スバル フォレスター 試乗】オンロードでは大人の乗り心地、オフロードでは野生の走破性…諸星陽一

試乗記 国産車
スバル・フォレスター
スバル・フォレスター 全 18 枚 拡大写真

フルモデルチェンジし4代目となった『フォレスター』に試乗した。水平対向エンジンと4WD(スバルではAWDと表現するが)をクルマ造りの基軸としているスバルだが、その4WD技術はオンロードやダート、スノーやアイスなどでの性能を訴求することが多く、クロスカントリー性能については多くが語られることはなかった。

【画像全18枚】

しかし、今度の新型フォレスターはそのクロカン性能を前面に押し出してきた。ほとんどの車種に駆動力配分を自動的に設定するXモードを標準で装備したのだが、このXモードの性能が非常に高い。

試乗が行われたのは伊豆にあるモビリティパーク。クローズドのクロカンコースとして有名な場所だ。試乗車は標準仕様のままで、タイヤもオールシーズンタイヤだ。にも関わらず、ほとんどのセクションをそのまま走りきる。Xモードをオンにすれば、走破性はさらに高まり、いたってイージーに走ることができる。傾斜の恐怖感さえ払拭すれば、基本的には路面とタイヤの関係など考えて走る必要はない。

一方、オンロードではゆったりと動くサスペンションによって、乗り心地のいい走りを味わうことができる。車高はそれなりに高く、それにともなって目線も高いのだが、低い位置に搭載される水平対向エンジンのおかげだろう、ロールスピードがゆっくりとして回り込んだ長いコーナーでも安心感がある。

試乗コースにはクルマのすれ違いが不可能な狭い道も含まれていたが、視界の改善や見切りのよさなどにより、運転しやすさもアップしている。

エンジンは148馬力の自然吸気と280馬力のターボの2種。当然ターボはトルクフルで、圧倒的な走りが可能だが自然吸気エンジンもなかなか素直で使いやすい。

ターボで気になったのはアクセルオフしたときの空走感が強いこと。燃費を稼ぐための手法で、コーストモードなどとも呼ばれて現在のATチューニングの主流となりつつある。たしかに燃費は稼げるだろうけど、人間の感性とはかけ離れているのも事実。アクセルオフ時は、きちんとエンジンブレーキが効いてほしい。

5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. カローラクロスと立場が逆転、だからこそ生まれた「斬新セダン」のデザイン…ジャパンモビリティショー2025
  2. ライバルはアルファード? メルセデスベンツの最高級ミニバンが日本初公開!…ジャパンモビリティショー2025
  3. 【トヨタ ランドクルーザーFJ】「ランクルらしさ」と“サイコロ”を融合した小さいランクル、デザインの肝
  4. シトロエンの超小型EV『アミ』、初のマットブラック仕様「ダークサイド」登場…約157万円から
  5. ルノー『クリオ』新型、フランスで受注開始…約350万円から
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る