タイ深南部で爆破・銃撃テロ、兵士5人死亡 夜間外出禁止令検討

エマージング・マーケット 東南アジア

【タイ】タイのテレビ報道によると、10日朝、タイ深南部ヤラー県で、武装グループがタイ陸軍の6輪トラックを爆弾と銃で攻撃し、タイ兵5人が死亡、1人が負傷した。武装グループは爆弾を仕掛けたピックアップトラックでジャングルの中の道路をふさぎ、タイ陸軍のトラックの接近を待ち、爆発させた。その後、道路脇に横転したトラックに自動小銃などで銃撃を加え、死亡した兵士から銃器を奪って逃走した。

 同日、隣県のナラティワートではタイ兵8人が乗ったピックアップトラックが爆弾で横転し、兵士4人が負傷した。隣のパタニー県では銃撃で住民2人が死亡し、子供3人を含む4人が負傷した。

 治安当局はいずれの事件も深南部のタイからの独立を目指すマレー系イスラム武装勢力の犯行とみている。

 タイ政府は深南部に10万人規模の治安部隊を送り、テロの封じ込めを図っているが、事態が改善する兆しはない。インラク首相は10日の襲撃を受け、深南部の一部に夜間外出禁止令を発令する可能性を示唆した。

〈タイ深南部〉
 タイ深南部のナラティワート県、ヤラー県、パタニー県の3県とソンクラー県の一部には、もともとイスラム教徒の小王国があったが、約100年前にタイに併合された。現在も住民の大半はマレー語方言を話すイスラム教徒で、タイ語を話せない人も多い。タイ語、仏教が中心のタイでは異質な地域で、行政と住民の意思疎通が不足し、インフラ整備、保健衛生などはタイ国内で最低レベルにとどまっている。
 タイからの独立を目指すイスラム教徒住民による武装闘争は断続的に続き、タクシン政権が発足した2001年から活発化。警察派出所が襲われ一晩で警官十数人が殺害されるなど、2003年までに数百人の死者が出たが、政府は「山賊の仕業」として、独立運動の存在を認めていなかった。
 2004年1月に軍の武器庫が襲撃され、兵士4人が死亡、大量の兵器が強奪される事件が起き、これを機に「山賊」ではなく「テロリスト」とされた。同年4月には、警察派出所や軍駐屯地を同時襲撃したイスラム武装勢力を治安当局が迎え撃ち、1日で武装勢力側108人、治安当局側5人が死亡。同年10月、ナラティワート県タークバイ郡では住民の逮捕などに反発したイスラム教徒住民3000人が警察署前で抗議デモを起こし、治安当局による発砲などで7人が死亡、約1000人が逮捕され、逮捕者のうち78人が軍用トラックで収容先に移送される途中、窒息死した。
 両事件以降、武装勢力とタイ治安当局の抗争は激化し、2001年からこれまでに約6000人が銃撃、爆破などで死亡した。

《編集部》

ピックアップ

アクセスランキング

  1. レクサス『LS』改良新型、操縦安定性と乗り心地を向上…1414万円から
  2. スバル『クロストレック』2.0Lが終了、ストロングハイブリッド主力に…価格は80万円上昇?
  3. トヨタとスカニアが提携、水素燃料電池で重量輸送実現へ…燃料電池トラックを2027年初頭に運行開始
  4. レクサス『IS』に25周年記念車、専用グリーンと日本にない3.5リットルV6搭載…北米限定350台
  5. 日産『エクストレイル』、車中泊仕様「マルチベッド」を改良…536万2500円から
  6. 日産、新型コンパクトEV『PIXO』を9月23日発表…欧州Aセグメント市場に再参入へ
  7. スバル『シフォン』改良、運転支援「スマートアシスト」強化…149万6000円から
  8. 「駐車場に収まるレクサスが…」コンパクトSUV『UX』生産終了にSNSで惜しむ声、次期型への期待も
  9. ホンダ『シビックタイプR HRC』は2027年登場か…“究極のFF”が市販化の可能性
  10. 「新型かっこよすぎ」日産の”ちょうどいいセダン”に反響、『セントラ』2027年モデル発表
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 居眠り・脇見を監視、「DMS」を義務化…乗用車は2031年から、バス・トラックではすでに普及
  2. ホンダの交換式電池、建設現場で実証…高さ385mの「トーチタワー」
  3. 【全文PDFプレカン】日産自動車 長期ビジョン発表会
  4. 電動車は誰が最後まで面倒を見るのか…KPMGコンサルティング プリンシパル 轟木光 氏[インタビュー]
  5. ams OSRAM、CMOSイメージセンサー事業を米インディー・セミコンダクターに売却…AIフォトニクス・ARに集中
ランキングをもっと見る