自動車技術会デザイン部門委員会、中・高校生対象の第1回カーデザインコンテストを開催

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中・高校生対象に第1回カーデザインコンテストを開催
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自動車技術会デザイン部門委員会は、中・高校生を対象とした第1回カーデザインコンテスト受賞者を決定。3月27日の表彰式で受賞作品を発表した。

自動車技術会デザイン部門委員会は、日本の四輪、二輪、バストラック、部品会社など15社のデザイン部門それぞれの代表と、デザイン系大学2校を含めた合計25名の委員で運営され、デザイン技術の発展を通して、その環境やデザイナーの地位向上、後進の育成のための活動を行っている。

日産自動車デザイン本部の駒田博氏(自動車技術会デザイン部門委員会委員長)によると、「人材育成のために、昨年カーデザイナー人財育成WEB、“カーデザインに挑戦”を立ち上げ、カーデザインコンテストを募集しました」と話す。

この活動の趣旨、背景について同委員会人材育成WGリーダーの菅原重昭氏(トヨタ自動車)は、国内のカーデザイン業界を取り巻く人材育成面での懸念材料が散見されるという。「新興国の台頭により人材も急成長している一方、国内においては、クルマ離れの傾向の中、カーデザイン志望者の減少が見受けられます。カーデザイン教育の導きも弱い」とし、こうした状況の打開策として、「本委員会がカーデザインを通じてモノづくりの魅力やプロへの道筋のガイドなどを推進し、自動車産業の発展振興に資する人材育成の支援をすることを目的としています。世界をリードするカーデザイナーの誕生につなげたい」とした。

このホームページは、感受性も高く、人生観や職業観の形成に重要な時期にある中・高生を対象にすることで、「カーデザインへの目覚めを早くに起こしてもらい、自発的に学んで将来活躍できる高いレベルを目指してもらいたい。スポーツ界のように、若い頃からの目覚めと訓練が重要ではないでしょうか」(菅原氏)。

第1回カーデザインコンテストは、中・高校生に“近未来社会にあってほしいクルマ”をテーマに描画作成で応募してもらい、優秀作品の表彰を通じて、カーデザインへの関心を醸成することにある。また、中長期的にはカーデザイナーの登竜門としての意義あるコンテストに育てたいと菅原氏。

205点応募のあった作品のうち受賞作品は以下の6点。中・高校生レベルで持ってほしい考え方や、表現力が備わっているかというところに視点をおいて委員全員で評価された。

・カーデザイン大賞(最優秀賞):『POPCORN』片岡港人君 静岡県立浜松湖南高等学校3年

・カーデザイン賞(高校生の部):『DNA design』佐々木敦君 浜松学芸高等学校2年

・カーデザイン賞(中学生の部):『低重心スポーツカー』櫻井悠貴君 名古屋市立藤森中学校1年

・ダビンチ賞(高校生の部):『SPIDER CAR』荒井沙弥子さん 女子美術大学付属高等学校2年

・ダビンチ賞(中学生の部):『GMGM(ゴムゴム)CAR』小山創人君 浜松市立与進中学校2年

・審査員特別賞:『カーシェアリング』角田梨沙さん 女子美術大学付属高等学校2年

カーデザイン大賞を受賞したPOPCORNは、行き先を同じくする人々のモビリティを乗せて、出発地から目的地までプライバシーを守りながら移動。目的地ではそれぞれ自由に観光や要件を果たすことが出来る。その考え方を身近なトウモロコシの形状でイメージしたユーモラスな造形でまとめられた。川崎重工業の木村徹氏は、本コンテストに相応しい素晴らしい作品だと全員が認めた作品だとし、「単なるパーソナルモビリティの提案に留まることなく、高齢者にも夢を膨らませることの出来る観光の在り方や、自動車社会に託されている使用環境の広がりを想像する可能性も評価された、総合的に優れた作品」と評価。このデザインを描いた片岡港人君は、「これからどうなるかはわからないが、期待される方向に進んでいけたらと思います」と述べた。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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