【鉄視点】暮らしに息づく手漕ぎの渡し舟…豊川の牛川渡船に乗る

船舶 行政
乗船料は無料。運航時間は4~9月が8~18時、10~3が8~17時(正午から昼休みあり)
乗船料は無料。運航時間は4~9月が8~18時、10~3が8~17時(正午から昼休みあり) 全 18 枚 拡大写真

おだやかな豊川(とよがわ)の流れを横切る手漕ぎ舟。愛知県豊川市牛川町の「牛川の渡し」は、江戸時代よりも前から続く渡し舟で、市道大村町・牛川町175号線を結ぶことから豊橋市が管理・運営を行なっている。

明治期の村営を経て1932(昭和7)年から豊橋市営として運航されているこの牛川渡船。船頭が豊川の東岸(牛川町側)に常駐し、西岸(大村町側)との間を往復している。

新幹線から、豊橋鉄道東田本線(市内電車)へ。移動速度をだんだん緩ませて、愛知県道69号沿いにある「牛川渡船」と記された看板の矢印に従って歩くと、うっそうとした森のなかに、小屋がひとつ。

「船呼び板」をコンコンと叩くと、「ハイヨー」と船頭が現れる。日焼けした顔やがっちりとした腕からは、67歳とは思えない。

船体には「ちぎり丸 最大搭載人員11名」と記されている。豊橋駅前の大豊商店街(水上ビル)でレンタルした自転車を載せ、西岸へ渡る。

「東京の矢切(の渡し)には船外機が付いているっしょ。竿一本でやってるのはもうここだけ。この川の下にね、ロープが走っとってね、この舟とロープがつながってて、流されることはないんですわ」

三河湾の干満や上流の天候などによって豊川の流れは変わる。船体は水中のロープとつながっているが、船体を安定させるためには、長年の経験による技術が要るという。船頭は竿を操り、船の向きを整えながら、西岸へと導く。

豊橋市役所が2013年7月の渡船業務月報を見せてくれた。運航回数は月間374回、乗船者が数730人(通勤0人・通学253人・一般148人・見学329人)、自転車等が388台。

運航回数は天候や曜日などによって差が出る。晴れた日の19回に対して、雨の日の5回という日もある。土日や祝日には「見学」という枠の数が増える。

自転車と中年記者だけを乗せた渡し舟が西岸に着こうとするころ、先ほど出た東岸を振り返ると、この舟を待つ女子高生の姿が見えた。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  2. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  3. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 宮崎「シーガイア」にサーキットがオープン! セグウェイの「電動ゴーカート」を日本初導入
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る