異教徒の「アラー」使用は禁止、控訴審で逆転判決…「ヘラルド」は上告の意向

エマージング・マーケット 東南アジア
マレーシア クアラルンプール
マレーシア クアラルンプール 全 1 枚 拡大写真

一神教の「神」を表す語として非イスラム教徒が「アラー」を使用することが認められるかどうかが争われていた裁判の2審判決が14日にあり、控訴裁判所は「アラー」使用を認めた高裁判決を破棄し、使用を禁じる逆転判決を下した。

信教の自由に抵触する可能性もあり非イスラム側の反発が予想される。

神を表す言葉は、マレー語ではアラビア語源の「アラー」が相当する。このためカトリック教会機関誌の「ヘラルド」が刊行雑誌の中で「アラー」の表現を用いたが、内務省が2009年1月に不法だと認定し使用を禁止した。これを不服として教会側が高裁に使用を認めるよう提訴したが、高裁は同年12月、教会側の主張を認める判決を下し、政府はこれを不服として控訴していた。

モハメド・アパンディ・アリ裁判官は、判決文で「アラー」の使用を禁じる判断を下した理由について、キリスト教における「アラー」の使用は必要不可欠ではないと述べ、「アラー」という言葉を使用しなければならない理由はないと言明。無闇に「アラー」の語を非イスラム教徒が使用すれば、コミュニティに混乱をおよぼす懸念があると断じた。

「ヘラルド」の弁護団は、東マレーシアにおいてはマレー語を話すキリスト教徒に何世紀もわたり「アラー」という言葉が使用されており、イスラム教徒の専有物ではないと主張、連邦裁判所に上告する方針を明らかにした。

広瀬やよい

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ…注目ニュースベスト5 2025年上期
  2. ポルシェ、新型『911カップ』発表…520馬力にパワーアップ
  3. 「リアウィンドウがない」のが斬新と評価! ポールスター『4』がデザイン賞の最高賞に
  4. エアレスタイヤ搭載でペダルもなし、免許不要の特定小型原付「Future smart」発売
  5. マッスルカー『チャージャー』、内燃エンジン仕様が登場…直6ツインターボで550馬力
  6. コルベット史上最強の「ZR1X」、60年ぶりマット塗装の限定車は約3575万円から
  7. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ...ワイド&ローのフォルムに注目だ!
  8. インフィニティの最上位SUV『QX80』に初の「スポーツ」グレード登場
  9. 都市×冒険を制することができるか?…トヨタ『RAV4』新型まとめ
  10. 日産の高級部門インフィニティ、3台の新型コンセプトカーを世界初公開へ…モントレーカーウィーク2025
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る