マレーシアGST導入、次期総選挙で与野党逆転の契機となる可能性

エマージング・マーケット 東南アジア

政府が2014年度予算案で物品・サービス税(GST)の2015年4月導入を発表したことについて、政治アナリストからは5年後の次期総選挙において野党連合・人民同盟(PR)が与党連合・国民戦線(BN)から政権を奪取する契機になる可能性があるとの指摘が出ている。

財政基盤の強化につながるとしてエコノミストらは概ねGST導入方針について評価しているが、この複雑な税収システムがうまく機能しない場合に、不当な利益獲得がのさばったりインフレ率を押し上げる可能性も認めている。すでにアジア通貨危機以来の2.5%という高水準に達している消費者物価指数(CPI)上昇率が、さらにナジブ・ラザク政権の補助金抑制策により大きく上昇するとみられており、次期総選挙で有権者が与党政府にノーを突き付ける可能性がある。

野党連合は予算案対案の中で、GSTを導入せずとも歳出のムダ切り詰めなどによってGDP成長率5%と財政赤字の対GDP比率3%以下の達成が可能だとしている。政治アナリストらは、インフレを引き起こすなどGSTの導入で失敗すればBNの最後の砦である農村・遠隔地の票も失いかねないと指摘している。5月の総選挙では小選挙区制の利点を活かしたBNが過半数の議席を維持したものの、総得票数では野党連合を下回る事態となった。

伊藤 祐介

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 日産、小型ミニバン『グラバイト』予告…2026年インド発売へ
  2. 驚くほど広がる後方視界、ホンダ「Nシリーズ」専用「リアビューミラー&カバー」が発売
  3. 21世紀史上最高の快音マシン “レクサス LFA”が復活!V12のF1エンジンを搭載したF50も登場、ホットウィールの新製品が熱すぎるPR
  4. 日産『セレナ』に新カスタム「AUTECH LINE」初登場! アウトドア向けモデルも
  5. スズキ『クロスビー』改良新型、パイオニア製カーナビ設定…9インチHD画面でスマホ連携対応
  6. ホンダ『ステップワゴン』30周年記念車、マルチビューカメラなど快適装備を追加…409万8600円から
  7. ホンダ WN7 が初の国産EV白バイに! 2026年1月の箱根駅伝でデビュー
  8. マツダ CX-5 新型、最高評価の5つ星獲得…ユーロNCAP
  9. 三菱『デリカD:5』新型発売、価格は451万円から…SUVとミニバンが融合「三菱らしさ」武器に
  10. 注目の125ccスクーター2台をガチンコ比較!「静粛」のアクシスZか?「快活」のアドレス125か?
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る