IMF、タイ政府のコメ買い取り制度批判

エマージング・マーケット 東南アジア

【タイ】国際通貨基金(IMF)はタイ経済に関する年次報告で、事実上のコメ買い取り制度であるコメ担保融資制度を廃止し、より効果的な農家への現金給付に切り替えるべきと提案した。

 IMFはこの制度について、タイ政府は4100億バーツの原資で市価の約40%高でコメを購入、転売しており、損失が避けられないと指摘。どのような方法で損失を原資の範囲内に収めるか不透明で、政府がデータを出さないため、タイの財政への信頼が揺らいでいると警告した。

 また、タイで急速に進行する少子高齢化に触れ、経済成長を持続させるため、労働生産性の低い産業から高い産業に人的資源を移行させる必要があると指摘。小規模で生産性の低い農業を支援するコメの買い取り制度は経済発展の足かせになるとも主張した。

 コメの担保融資制度はタイの現政権の目玉政策のひとつで、政権発足直後の2011年10月に導入された。政府がコメを高値で買い取るため、タイ産米は価格上昇で輸出量が激減し、2012年には1981年以来初めてコメ輸出世界一の座から転落した。この制度で積み上がった膨大なコメの在庫も政府の頭痛の種となっている。ただ、稲作農家には好評で、2年以内に総選挙を迎えるタイ政府・与党にとって、打ち切りは困難だ。

《newsclip》

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