イリジウム通信衛星 軌道上66機を総入れ替え オービタルサイエンシズが全81機を製造

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イリジウム通信衛星 軌道上66機を総入れ替え オービタルサイエンシズが全81機を製造
イリジウム通信衛星 軌道上66機を総入れ替え オービタルサイエンシズが全81機を製造 全 3 枚 拡大写真

2014年3月27日、オービタル サイエンシズ社は衛星携帯電話イリジウム コミュニケーションズの新型通信衛星を製造する契約を結び、生産を開始したと発表した。軌道上で運用する66機と予備機を合わせ、全81機を3年間で製造する。

イリジウム コミュニケーションズ(旧イリジウム サテライト社)は、高度780キロメートルの地球低軌道で、南北方向に6つのレーンに分割された軌道上に66機の通信衛星を展開し、地球全体をほとんどカバーする音声通信サービスを行っている。日本では1999年に日本イリジウム社が破綻したが、、2005年からKDDIが国内でのサービスを再開している。2007年、イリジウム コミュニケーションズは、イリジウム通信衛星66機をすべて更新する総額30億ドルの次世代衛星通信ネットワーク計画「Iridium NEXT(イリジウム ネクスト)」を発表した。

オービタル サイエンシズ社は、イリジウム ネクスト衛星開発の主契約者である仏タレス アレニア スペースから、更新する新世代衛星66機、運用中の衛星よりも低い軌道に配置される軌道上の予備衛星6機、地上に用意する予備衛星9機、合計81機の実際の製造を請け負った。米アリゾナ州 ギルバート町の外国貿易地帯に衛星製造施設を開設し、3月27日から生産を開始。月産3機のペースで、およそ3年で衛星を生産するという。

イリジウム ネクスト衛星は、衛星本体サイズが3.1×2.4×1.5メートル、重量約860キログラム、太陽電池パドルを広げて全長9.4メートルと比較的小型の衛星。L帯のメイン通信アンテナ、Ka帯のクロスリンクアンテナ、フィーダリンクアンテナを搭載している。全衛星に、他の事業者や研究機関などの観測機器などを預かって搭載できるホステッドペイロード搭載スペースを設けているのが特徴だ。30×40×70センチメートル、最大50キログラム、消費電力50ワットのペイロードに対応する。

新型衛星の打ち上げは2015年2月に開始し、2017年までに全ての衛星を軌道上に展開する。イリジウム コミュニケーションズは打ち上げパートナーとしてスペース X社の名前を挙げており、タレス アレニア スペースではこの3月に打ち上げシミュレーション用の機材をスペース Xに引き渡しているという。イリジウム ネクストのサービスは洋上、航空機などでも利用可能で、音声通話に加え通信速度も向上するとしている。衛星の設計寿命は10年で、15年の運用期間を目指す。

《秋山 文野》

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