伊藤忠商事は、都市ごみなどのバイオマスからバイオ航空燃料を製造する技術を持つ、米国Solena Fuels Corporationに資本参加したと発表した。
従来のガス液化技術に独自の高温プラズマガス化技術を組み合せた、SolenaのIBGTL（インテグレーテッド・バイオマス・ガス・トゥ・リキッド）ソリューションは都市ごみ、農業残渣、森林残渣のバイオマスを原料に、持続可能バイオ燃料を製造することが可能となる。この方法で製造されるバイオ航空燃料は、国際的航空燃料基準で認証されており、機体、ジェットエンジン、既存インフラ設備、現在の航空燃料流通システムの改修、変更など、の特別な措置無しにそのまま利用可能。
現在、Solenaは英国航空をパートナーに、ロンドン近郊で都市ごみからバイオ航空燃料、無硫黄バイオディーゼル燃料、バイオナフサ等の液体燃料を年間約10万トン製造する「GreenSky London」プロジェクトを推進している。第1号商業化施設は2017年に操業開始する予定。
航空分野の現在の温暖化ガス排出量は、世界全体の排出量の約2％だが、世界的な航空需要の高まりを背景に今後年率3％から4％の割合で排出量が増加する見通し。このため、ICAO（国際民間航空機関）は燃料効率を2020年まで年率1.5％の割合で改善し、2020年以降、温暖化ガス排出を増加させないこと、2050年までに2005年比50％削減することを決議し、世界240の航空会社が加盟するIATA（国際航空運送協会）が会員航空会社と、削減目標達成に向け取り組んでいる。
この目標達成にはバイオ航空燃料の積極的な導入が不可欠であることから、世界各国の航空会社が積極的にバイオ航空燃料に取り組んでいる。
伊藤忠は今後、日本を含む世界各国での事業展開を目指すSolenaのビジネスを支援し、グローバルな地球温暖化ガス排出削減に貢献していくとしている。