運命の分かれ道…理系と文系で、卒業後の就職状況に大きな差

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学校基本調査 平成23年度以降 高等教育機関《報告書掲載集計》 卒業後の状況調査 関係学科別 状況別 卒業者数
学校基本調査 平成23年度以降 高等教育機関《報告書掲載集計》 卒業後の状況調査 関係学科別 状況別 卒業者数 全 5 枚 拡大写真

 受験生もその保護者も、大学選びで一番注目しているのは、おそらく偏差値ではないだろうか。受験生からすれば、「両親を安心させたい」「少しでも上の大学へ行きたい」と思うだろうし、保護者も「少しでも良い大学に進んで欲しい」と願うものだろう。

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 だが、偏差値だけで大学を選ぶのは、意外に危険でもある。なぜなら、大学の先、就職という点から見たとき、偏差値は必ずしも強力な武器とはならないからだ。

文系と理系で卒業後の進路に大きな差がついている

 たとえば、学部という切り口で見てみよう。

 文部科学省が行っている「学校基本調査」によれば、2013年度の大学生の進路では、理系の学生の方が不安定な職に就いた割合が小さいことがわかる。具体的な数値は以下のとおり。

1. 正規職員等でない就職
人文科学/6.3%(85,664人中、5,426人)
社会科学 /2.3%(195,024人中、4,493人)
理学/3.7%(18,063人中、663人)
工学/0.8%(86,313人中、707人)
農学/1.9%(17,330人中、323人)
保健/1.4%(50,738人中、732人)

2. 一時的な仕事への就職、あるいは進学も就職もしていない者
人文科学/22.3%(85,664人中、19,116人)
社会科学/18.3%(195,024人中、35,753人)
理学/12.1%(18,063人中、2,178人)
工学/9.3%(86,313人中、7,994人)
農学/13.5%(17,330人中、2,339人)
保健/8.3%(50,738人中、4,195人)

1. と 2. の合計
人文科学/28.6%
社会科学/20.6%
理学/15.8%
工学/10.1%
農学/15.4%
保健/9.7%

※参照 「学校基本調査 平成23年度以降 高等教育機関 《報告書掲載集計》 卒業後の状況調査 大学」
※:単位%、端数を四捨五入
※:大学生のみ対象、大学院生は含まず
※:「一時的な仕事への就職」とは、「卒業後、パート、アルバイトなどの臨時的な収入を目的とした仕事に就いた者」のことを指す
※:「進学も就職もしていない者」とは、参照調査の「左記以外の者」に該当する

 このように、理系と文系で、その後の就職状況に大きな差が出ている。

 しかし、だから文系学生の就職活動が全体的に厳しいということではない。実際、「正規職員等への就職」では、「社会」が一番高い割合(72.0%)を記録している。次点も「人文」(62.1%)である(もっとも、理系の同割合が低いのは、文系に比べて進学希望者が多いという背景も影響していると考えられる)。

 しかし文系は、いわゆる「非正規雇用」や「無職」になる割合が高いのも事実であることがわかる。

大学で学んだことが、必ずしも社会で活きるとは限らない

 昨今、東大や京大といった最高峰の大学を卒業したのに就職できなかった、という話がニュースで取り上げられることも多い。せっかく希望した大学・学部に進学しても、残念ながらその先の就職でうまくいかない学生も少なくないのが、今の就職市場の現状だ。

 いくら望んだ大学・学部に進学しても、そこで学んだことが社会で求められていないのであれば、当然だが就職することはできない。特に人文系、中でも文学系は、ビジネスに直接活きる学びが得られにくいため、単に大学で勉強してきただけの学生は就職活動で評価されにくい。

 対して理系は、研究者や専門職という道はもちろん、学業を通じて論理的な思考などビジネス現場で必須の素養が身についているため、幅広い企業から評価される。普段の学びが、そのままビジネスに活きる力となっているのである。

就職活動で大切なのは「どこで学んだか」よりも「大学でどう過ごしたか」

 しかし、だからと言って、「就職に有利だから理系」という学部選びは早計である。なぜなら、今の就職活動は、「進んだ大学や学部がどこか」という部分より、むしろ「大学生活をどう過ごしたか」を求めているからだ。理系に進んだからといって、正社員就職が約束されているわけでは決してない。

 よって大学選びでは、受験生が将来何をしたいのか、将来の仕事という視点まで見据えたうえでしっかり考えることが大切である。そして保護者は、偏差値や大学名ばかりに目を向けるのではなく、一足先に社会を見た先輩として、我が子の希望がどうすれば叶うのか、アドバイスをしてあげることが必要だ。

<著者紹介>高嶌悠人(キャリアコンサルタント)
 慶應義塾大学法学部政治学科卒。株式会社電通を経て、教育系ベンチャー企業の株式会社ガクーに入社。そこでは新卒学生を対象とした就職活動支援スクールの運営に携わってきた。現在は独立し、高校や大学、塾、予備校などでキャリアをテーマとしたセミナーなどを開催したり、メディアにてキャリアに関するコラムなどを書いたりしながら情報発信している。著書に、「人気NO.1「内定塾」が教える エントリーシート 履歴書の書き方(高橋書店)」や、「これだけ覚える!一般常識&最新時事(高橋書店)」、「人気NO.1「内定塾」が教える!今までなかったエントリーシート 履歴書の文章講座」などがある。

【大学と就職】理系は有利か、高偏差値は? 大学選びと就職の意外な関係

《高嶌悠人》

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