【マツダ デミオ 試乗】XD ツーリング Lパッケージ、位置するのはもっとも国産コンパクトから遠いところ…青山尚暉

試乗記 国産車
マツダ デミオ
マツダ デミオ 全 13 枚 拡大写真

以前、クローズドサーキットでの試乗記をお届けしたが、あらためてマツダ『デミオ』XD ツーリングに公道で試乗した。 

【画像全13枚】

速度域が高くアップダウンの激しいクローズドサーキットで感じた1.5リットルターボディーゼルエンジンのトルクは、よりトルクのおいしいところを使える6AT車でもやはり2000回転以下でもう少し欲しいと思った。特にアクセルオフからの再加速で一瞬、反応が鈍るシーンがあったりするからだ 。しかしながら2000回転以上回れば、同排気量のガソリンエンジンとはなるほど比べ物にならない分厚いトルクを発揮してくれるから走りやすさは抜群だ。

街中でのエンジンのカラカラしたディーゼルっぽさは、アイドリング(アイドリングストップOFF時)や出足の一瞬だけ気になる程度。走りだしてしまえば、中高回転域まで回しても文句なくスムーズ。ガソリン車との違いは感じにくくなる。

実は、注目のダウンサイズディーゼルエンジンより気に入ったのが全体的な走りの質感である。パワステはがっちり重く、しかしクルマとの一体感をダイレクトに伝えてくれる好フィール。そして足回りの仕上がりは国産コンパクト最上と言っても過言ではない。

乗り心地はドシリと落ち着いたもので、ただ硬めなだけでなく骨太と表現すべきタッチだ。これならロングクルーズも無理なく安心感たっぷりにこなすことができるだろう。ブレーキのタッチも国産コンパクトとして例外的な剛性感、コントロール性の良さを持ち合わせる。

そして燃費性能にもびっくりだ。日常使いで首都高を流せば20km/リットル、一 般道だけでも18km/リットルを記録したのである。もちろん、軽油はガソリンより経済的だ。

メーターが回転計を主役とし、速度計をその下にデジタル化しているのは、いかに も走りにこだわるマツダ車らしい。カーテン&フロントサイドエアバッグや、”ぶつからないデミオ?”と言うべきスマートブレーキサポートを最廉価モデルの13C以外すべてに装備している点も褒められる。

XDツーリング Lパッケージのオフホワイト×レッドの本革シートを選べば、インパネ回りの質感の高さもあって、まさに小さな高級車に乗っている気分になれる。というか 、ボクはなれた。例えばMINIやフィアット『500』がそうであるように、コンパクトカーでも堂々と乗っていられる、そんなイメージなのだ。お薦めはXDツーリング、または本革シート分5万4000円高のそのLパッケージ。国産車離れしたプレミアム感の強さなら間違いなく後者だ(本革シートは割安感があるが、190万円もする)。

全体的には国産同クラスを”大きく”超えた内外装の仕立て、走りの質感 、特にフットワークのレベルの高さがデミオらしさと言うべきか。VW『ポロ』がベンチマークの1台らしいが、国産コンパクトでその域に迫っているのはこのデミオぐらいである。ライバルの多くは方向性が異なり、国産車らしい軽さ、軽やかな走りのテイスト、あるいは室内空間の広さが身の上だ。これでナビ画面が大きくなり、ポロが新採用したアダプティブクルーズコントロールが用意されれば文句なしじゃないかと思う。

ちなみにこのオフホワイト内装のデミオに愛犬を乗せるのは、ちょっと抵抗があるかもしれない 。ただ、うれしいことにシート色に合ったオフホワイトの後席用ペットシートカバー (12960円)があるから安心である(汚れやすさは同様だが)。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
ドッグフレンドリー度:★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

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