【マツダ ロードスター プロトタイプ 試乗】「彼女」は昔のままだった…諸星陽一

試乗記 国産車
マツダ ロードスター プロトタイプ
マツダ ロードスター プロトタイプ 全 8 枚 拡大写真

初代NA『ロードスター』を発表前に予約して手に入れた筆者。それから約10年の時を共にした身から見たNDロードスターは、四半世紀振りに初恋の恋人に会ったような印象だった。

なにより、彼女はスマートで昔のままのプロポーションを保っていた。ホンの少しだけ、幅は広がってしまったけど、25年もたったんだからそこは許してやろうじゃないか。パッと見た印象ってのはとても大事で、NBやNCを見たときには「あー、こうなっちゃうんだ」だったのに対しNDをみたときは、「そう、キミはこんな姿だよね」という印象。

ドアを開け、乗り込み、ドライビングポジションを取る。じつにしっくりとくるポジションを取ることができる。このポジション、25年前に座っていたあのシートと同じポジション。とくにステアリングの位置とシフトレバーの位置がそっくりだ。

さて走りだそう。イグニッションスイッチを押し、エンジンを目覚めさせる。軽いクラッチペダルを踏み込む。左手の手首をコックさせるだけでギヤは1速に入る。クラッチを戻し、アクセルペダルを踏んでいくと、スムーズに加速する。ギヤチェンジもスムーズ、手首をコックさせればクイックイッとシフトアップしていく。NAはアクセルペダルのストロークが長く、その長いストロークによって微妙なアクセルワークを実現させようとしたが、NDはそんな小手先のワザを使わずとも、オルガン式のアクセルペダルが、微妙なアクセルワークを可能にしている。

エンジンの排気量は1.5リットル。基本的には『アクセラ』に搭載されているスカイアクティブ1.5と同じ。チューニングが同じなら出力は110馬力程度だろうが、乗った感じはもう少しありそうな雰囲気。アクセルペダルに対するエンジン回転のアップダウンはツキがよく気持ちいい。絶対的パワーは低いが、走りを楽しめるエンジンチューンだ。

サスペンションはよく動き、しっかりとしたロードホールディングをしめす。全体としてフリクションの少ないサスペションの動きで乗り心地もちゃんと確保されている。しかし、クルマの動きをドライバーにしっかりと伝えるタイプのセッティングなので、いつもクルマは手中にあるというフィーリングを持ってドライビングできる部分がNDロードスターのいい部分。

NDロードスターは積極的に荷重移動を行い、アクティブに走らせていこうとすれば十分に応えてくれるはずだ。しかし、今回はけっこう強い雨のなかでの試乗、しかもプロトタイプでの試乗のため、万が一にもミスは許されない。積極的に試すことは遠慮したが、NDロードスターは振り回して楽しいクルマに仕上げられている片鱗をあちこちに感じることができた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. スーパーワゴンが14年ぶりに復活! BMW『M5ツーリング』最終デザインを大予想
  2. トヨタ『カローラハッチバック』2025年型…新設定の「ナイトシェード」はスポーティ&スタイリッシュ[詳細画像]
  3. BMW『2シリーズクーペ』改良新型…内装を刷新、欧州発表
  4. 伝説のYZRが蘇る、ヤマハ『XSR900 GP』最新カスタムプロジェクトを公開
  5. データシステムがバックランプ用高輝度LEDバルブ「LED-T16A」を発売
  6. トヨタ認証不正「国連基準」も満たさず、海外でも生産できない可能性[新聞ウォッチ]
  7. メルセデスベンツにリチウム金属固体電池サンプル納入、軽量かつ高エネルギー密度…米ファクトリアル
  8. トヨタ系販社11社での修理費過大請求、1年半で計1万6184件に[新聞ウォッチ]
  9. BMW M5 新型、間もなくデビューへ…ティザー写真を公開
  10. [15秒でわかる]ドゥカティ『RR24I』…週末世界をイメージしたデザイン
ランキングをもっと見る