自動車分野でも着実に進むIoTのビジネス化…アクセンチュア Technology Vision 2015

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アクセンチュアグローバル・テクノロジーR&D担当マネジング・ディレクター「Technology Vision 2015」監修プリス・バネルジー氏
アクセンチュアグローバル・テクノロジーR&D担当マネジング・ディレクター「Technology Vision 2015」監修プリス・バネルジー氏 全 13 枚 拡大写真

アクセンチュアは4月8日、イイノホール&カンファレンスセンター(千代田区内幸町)にて、この1年で企業が押さえるべき5つの最新ITトレンドを定義した調査レポート「Technology Vision 2015」に関する記者説明会を開催した。

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今回は、「デジタルビジネスの時代:業界の垣根を越えて」というテーマのもと、アクセンチュアグローバル・テクノロジーR&D担当マネジング・ディレクター「Technology Vision 2015」監修のプリス・バネルジー氏と、アクセンチュア デジタルコンサルティング本部 マネジング・ディレクター立花 良範氏がプレゼンテーションをおこなった。

「Technology Vision 2015」では、先進的な企業がデジタル・エコシステムの活用がどのような成果を創出するかについてすでに認識しており、デジタルテクノロジーの価値を理解し経験を深めることで企業にはさまざまな効果やメリットが期待される、と述べている。

具体例では、イタリアのフィアット(Fiat)が、スマートカーの販売に自動車分野での新たな成長の機会があると捉え、TomTom、ロイター、フェイスブック、チューンインラジオ(Tune In Radio)と提携して独自のプラットフォーム「ユーコネクト(U connect)」の構築に取り組んでいる例が挙げられた。ユーコネクトは「フィアットクライスラー・グループのクルマに搭載され通信機能はもちろん、エンターテイメント機能も兼ね備え、一方でドライバーの集中力を高めるナビゲーションシステムとして、快適な運転環境を提供」しているという。

◆業界の枠を超えるwe economy 5つのトレンドが重要に

プリス氏は、こういったデジタルテクノロジーの活用に積極的な先進企業は共通して、一企業として存在するのではなく企業同士の関係、顧客やエンドユーザーとの関係も視野に入れており、企業同士が業界を越えて補完しあう新しい経済が形成されつつあることを指摘。このようなシフトを“me(個)economy”から“we (全体)economy”への動き、と表現した。

続けて立花氏は“we (全体)economy”へむけて5つのトレンドが重要となる、と論じる。

5つのトレンドとは「『個」』客体験をもたらすインターネット」「成果を売る経済」「プラットフォームの改革と進化」「インテリジェントな企業」「『ワークフォース』再考」。以下「個」客体験をもたらすインターネット、成果を売る経済の2項目について詳しく触れていく。

「個」客体験をもたらすインターネット(The internet of Me)とは、立花氏によれば、限りなくカスタム化された世界を意味し、インターネットは「私」の文脈まで理解するようになるという。個々人にカスタマイズされたサービス提供のためには個人データを活用することが必要だが、そのための個人データの取得に際して、単一企業内でのデータ共有については67%が許可する一方で、サードパーティも含めたデータ共有について許可する人は3割にも満たない。したがって今後個人データ共有におけるこのような意識の差を認識したうえでのセキュリティ・プライバシー・透明性の確保に取組む必要性がある。「個人データの活用には、信頼関係の構築が必要不可欠となってくる」(立花氏)。

◆駐車場のセンサー活用で 利用率11%アップ、料金、売上も増加

次に二つ目の、成果を売る経済について。IoTの発展によりビジネスは成果提供が重要となり、顧客の周りにあるIoTデバイスから、顧客の望む成果推定やサービス提供効果が定量的に把握できるようになり、これからのビジネスは手段(商品・サービス)の提供から成果そのものの提供へフォーカスされるようになる。

このトレンドについて「Technology Vision 2015」では、ロサンゼルス市のパーキングメーターに埋め込まれたセンサーを活用する例が挙げられている。駐車スペースの空きスペースを、パーキングメーターに埋め込まれたセンサーによってリアルタイムに把握。空き率(場所の人気度)に応じて駐車料金を変更するシステムを導入しているという。「空き状況と料率は顧客へアプリ配信されており、顧客は人気の場所に駐車するという成果を求めるほど高い駐車料金を払うという形で、成果ベースの課金モデルを実現」した。結果売上2%増、顧客の支払う平均駐車料金11%減、駐車場利用率11%増を達成したという。

プレゼンテーションではタイヤのデジタル化で成果ベースを実現した例が挙げられた。フランス大手タイヤメーカーのミシュラン(MICHELIN)は、運送会社向けに実際の走行距離に基づきタイヤのリース料金を請求する「サービスとしてのタイヤ(PAY BY THE MILE)」を提供。従来のビジネスではタイヤ、というものを売っていたが、タイヤ×IoTによりセンサーを埋め込み、利用状況を収集分析することで走行距離(成果)に応じて課金するシステム(経済)を実現している。

◆笑顔センサーで劇場売上は25%上昇

この他、バルセロナのTeatreneu劇場で、観客の笑顔を検知し笑った分だけ料金を支払うシステムも、成果を売る経済の事例として挙げられた。この「PAY-PER-LAUGHと呼ばれるシステムの導入は25%の売上アップをもたらした」(立花氏)。

最後に、成果を売る経済実現にむけていま企業がすべきこととは何か。立花氏は、1.商品・サービスのデジタル化、2.顧客中心のビジネスモデルへの移行、を挙げ「製造業などでは自社商品へのIoT組込み、金融、サービス業ではパートナリングなど、エッジ・ハードウェアを獲得し、さらにフィードバックループを確率することで顧客の理解を深める」(商品・サービスのデジタル化)「自社ビジネスの本質に立ち返り、顧客接点や提供する顧客体験価値を考え直し、成果ベース課金モデルの設計や収益予測、業務プロセス。評価。報酬モデルの整備をすること」(顧客中心のビジネスモデルへの移行)が必要、と述べた。

《北原 梨津子》

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