マハティール・モハマド元首相から辞任勧告を受けているナジブ・ラザク首相は9日の地元テレビ番組に出演し、これまでの沈黙を破って自らの主張を開陳。
「マハティール氏を尊敬しているが、自分は国民の支持が得られる限りはこれまで通り国や党を率いていくつもりだ」と述べた。
ナジブ氏は、マハティール氏が低所得者向け一時給付金「1マレーシア・ピープルズ・エイド(BR1M)」を批判したり、ジョホールバルとシンガポール間のコーズウェイ(連絡道)を撤去して代わりに連絡橋を建設することを求めていることを指摘。マハティール氏と意見の不一致があっても、自分は最終的には国民や党への責任を負っており、いかなる事案に関しても閣議や国会審議を通して決定を行っていると述べた。
ムヒディン・ヤシン副首相は、マハティール氏に対しナジブ氏にチャンスを与えるべきと述べた。ムヒディン氏は「いつでも異なる意見は存在する。マハティール氏がナジブ政権の政策に同意できないこともあるだろう」と批判も構わない考えを表明。「マハティール氏に党を壊すような悪意があるとは思えない」とし、いち党員として忌憚のない意見の表明自体は問題なく、政府としてもこれには真摯に答える必要があるとした。その上で、マハティール氏が元首相としていまだ大きな発言力を有していることを指摘し、発言が様々な影響をもたらすことを危惧するとした上で、ナジブ氏がマハティール氏に直接会ってわだかまりをなくすべきとの考えを示した。