マツダの子会社、トーヨーエイテック(本社・広島市南区宇品東)は、東京ビッグサイトで開催された金型加工の展示会「インターモールド2015」で、精密金型や精密部品の加工に特化した工作機械「TVM-10-CH」を初披露した。
同社は1929年に東洋工業(現マツダ)の一部門として研削盤の製造を開始。ロータリーエンジン用の工作機械をつくるなど、マツダのモノづくりを支えてきた。1989年にマツダから分社独立し、スライシングマシンやスクロール加工機、CNC複合研削機などを開発した。その技術の粋を集めたとも言えるのが、今回披露した「TVM-10-CH」だ。
この工作機械は間口がわずか910mmというコンパクトサイズでありながら、高硬度材を精密かつ短時間に加工できるところに特徴がある。「手仕上げの工程を機械化した」そうで、その精度はピカイチとのことだ。なにしろ、形状精度1ミクロン以下、穴ピッチ精度0.5ミクロン以下を実現し、高硬度材での鏡面仕上げも可能なのだ。おまけに一般的な中型工作機械と同等以上の加工能率を誇るという。
「昨年10月に発表し、今年度から本格的に販売していきます。自動車業界をはじめ、時計などの精密業界、半導体関連業界などいろいろな業界に販売できればと考えています。そして、海外にも出していく予定です」と同社関係者は熱く話す。価格は2400万円だ。