【VW パサートヴァリアント 試乗】エンジン性能を排気量で想像する時代は終わった…諸星陽一

試乗記 輸入車
VW パサートヴァリアント
VW パサートヴァリアント 全 12 枚 拡大写真

8代目となる新型『パサート』は、現行『ゴルフ』から採用されたMQBと呼ばれる発展性の高いプラットフォームを用いたモデルで、約85kgもの軽量化を実現しているという。新型は従来同様セダンとヴァリアント(ステーションワゴン)の2タイプのボディが用意される。まずヴァリアントのインプレッションをお届けしよう。

クルマに乗り込むと非常に落ち着いた雰囲気に包まれた室内が迎え入れてくれる。ゴルフはどちからというとスポーティで走りを楽しみたいと思わせるインテリアだが、パサートはホッと一息入れたくなるような落ち着いた雰囲気。仕事に疲れてクルマに乗り込んだとき、やっと自分の空間に戻ってきたな…と感じるようなそんな雰囲気を持っている。

エンジンを始動し、ミッションをDに入れ走り出す。走り出しからしっかりとしたトルク感があり、力強い加速感を味わえる。じつはこのパサートに搭載されるエンジンは1.4リットルの4気筒。言われなければ2リットルクラス、もしくはそれ以上のトルク感を感じることができる。最高出力は150馬力、最大トルクは25.5kgmだが、その最大トルクはわずか1500回転から発生する。もはや、エンジンの性能を排気量で想像する時代は終わったのだろう。

ミッションがデュアルクラッチ方式のDSGということもあり、加速はソリッドでシームレスなもの。アクセルを強く踏み込んで行くとキッチリエンジン回転が上がっての変速となるが、ゆっくりアクセルを踏めば早め早めのシフトアップで燃費がいいタイプの変速をする。

タイヤは215/55R17サイズのコンチプレミアムコンタクトを履く。55タイヤにしてはエアボリューム感のあるフェイスを持ったタイヤだが、乗り心地は意外と固め。ハンドリングはハイラインらしい、若干のゆるさが与えられたゆったりとしたものだ。タイヤのパターンノイズが室内に入ってくるが、風切り音などはよく抑えられていて、コンフォート性も悪くない。

ラゲッジルームはフラットでスクエアな設計。いつも思うが、ヨーロッパ車はワゴンのラゲッジをキッチリした作りにする。これは日本ではあまり見られない傾向で、箱状の荷物を積むならこれにこしたことはないと感じさせてくれる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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