新型特急E353系、「空気ばね式車体傾斜」採用で変化は…外観と技術を見る

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JR東日本が中央本線特急『スーパーあずさ』E351系の置き換えを目的に開発した新型特急車両E353系。同社の在来線特急で初となる空気ばね式車体傾斜制御を採用した
JR東日本が中央本線特急『スーパーあずさ』E351系の置き換えを目的に開発した新型特急車両E353系。同社の在来線特急で初となる空気ばね式車体傾斜制御を採用した 全 18 枚 拡大写真

このほど完成した、JR東日本の中央本線特急向け新型車両「E353系」量産先行車。外観デザインでは未来的なフォルムの真っ白なボディ、テクノロジーの面では同社の在来線特急で初採用となる「空気ばね式車体傾斜制御」がポイントだ。技術や外観の特徴をまとめた。

【画像全18枚】

【編成】
今回製造されたE353系量産先行車は基本編成+付属編成の12両編成で、基本編成が9両編成(うちモーター付き5両)、付属編成が3両編成(うちモーター付き2両)の構成。編成全体でモーター付き車両は7両となり、E351系と比べて1両増えた。

E351系は基本編成8両+付属編成4両の12両編成だったが、E353系で構成を変えたのは「今までのお客様の乗車率を考慮して基本と付属の編成両数を決めた(JR東日本長野支社)」ためという。号車番号は新宿方から付属編成が1~3号車、基本編成が4~12号車となる。車体はアルミ製で、1両あたりの長さは先頭車が21m、中間車が20m。車体幅は2920mmで、E351系の2843mmと比べてやや広がった。

【新技術の数々】
JR東日本の在来線特急車両で初の「空気ばね式車体傾斜制御」を採用。車体を支える空気ばねの高さを調整することで車体を傾斜させ、カーブでの遠心力を緩和する。振子式のE351系では傾斜角度は5度だったが、E353系の傾斜角度は1.5度。カーブでの通過速度はE351系と同等という。

振子式で車体の傾斜角度が大きいE351系は、カーブ通過時にパンタグラフの位置がずれないよう、台車枠と直結した台の上に設置した特殊な機構だったが、E353系は傾斜角度が小さいため、屋根上に搭載する一般的な方式となっている。パンタグラフはシングルアーム式を採用した。

また、空気ばねにより車体を傾斜させる仕組みのため、空気圧縮機(コンプレッサー)は12両編成のうち10両に搭載。これは他の形式と比べて多いといい、例えば特急『あずさ』などで使用されるE257系の場合、11両編成のうち搭載車両は4両だという。

最高速度は130km/hで、制御方式はVVVFインバータ制御を採用。車体傾斜装置のほかに乗り心地を向上させるための設備としては、左右の揺れを防ぐ「フルアクティブ動揺防止装置」を一部の先頭車(1・4・12号車)とグリーン車(9号車)に搭載したほか、前後の動揺を防ぐ車体間ダンパを各車両間に設置している。

故障対策の強化も図られ、先頭車にはブレーキ制御装置を2台搭載しているほか、車内照明などの電源を供給する補助電源装置(SIV)や、列車情報管理装置(TIMS)の演算部、伝送部も二重化している。

【デザイン】
E6系新幹線や山手線の新型車E235系などに続き、工業デザイナーの奥山清行さんが代表を務める「KEN OKUYAMA DESIGN」がデザインを担当した。コンセプトは「伝統の継承、未来への躍動」で、車体は南アルプスの雪を表現した「アルパインホワイト」と呼ばれる白をベースに、『あずさ』の伝統を受け継いだというややメタリックの入った紫色「あずさバイオレット」のラインを配している。

縦型のヘッドライトと横型のテールライトが並ぶ前面は「風を切って疾走していくキャノピーの流線型を強調する」という「ストリームブラック」と呼ばれる黒。前面は基本編成と付属編成の連結部となる3号車と4号車が貫通式で、1号車と12号車は貫通路がないが、デザイン上は同様に見えるよう工夫されている。

側面の窓周りは一見前面と同じに見えるが、実際はやや青みのあるメタリックグレー「キャッスルグレー」で、松本城の青みがかった漆黒を表現したという。行先表示器はフルカラーLED式で、日本語と英語の2言語表示となっている。前面と側面には「E353」の文字をデザイン化したロゴをあしらった。

未来的なデザインとともに、JR東日本の在来線特急初となる新技術を搭載したE353系。現状では「空気ばね式車体傾斜制御」導入に伴う地上設備の大きな変更などはないというが、これらの点についても今後の試験走行で確認していく方針だ。試験は2016年1月上旬まで行い、結果を量産車に反映する予定だ。

《小佐野カゲトシ@RailPlanet》

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