【SUPER GT 第5戦】鈴鹿1000kmのポールをニスモ組GT-Rが獲得…GT300はエヴォーラ首位

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GT500クラスのポールを獲得した#1 GT-R。
GT500クラスのポールを獲得した#1 GT-R。 全 16 枚 拡大写真

29日、SUPER GT第5戦「鈴鹿1000km」の公式予選が実施され、GT500クラスでは前年王者ニスモのMOTUL AUTECH GT-Rが今季2回目のポールポジションを獲得した。GT300クラスのポールはシンティアム・アップル・ロータス。

例年なら真夏の1000kmバトルと称される名物超距離レース。しかし、この日の鈴鹿サーキットは8月末とは思えぬ涼しさで、雨の可能性も考慮しつつの空模様のなか、14時30分からの予選セッションを迎えることとなった。クラス別の2段階ノックアウト方式予選開始時、気温は27度、路温は32度、路面状況はドライ(午前の公式練習前半はウエットパッチの残るような路面状況だった)。

シリーズも5戦目まで進んでくると、獲得ドライバーズポイント連動(第6戦まではポイント×2kg)を基本とするウエイトハンデの状況も戦局を大きく左右するのがSUPER GTの特徴だ。全15台参戦のGT500クラスの場合は、ハンデが50kgを超えると50kg分はエンジンの燃料流量リストリクターによる調整に振りかえられるが、今回はドライバーズポイントランク上位4車が対象。この“燃リス調整”がパフォーマンスにどう影響するかも焦点のひとつとなる。

GT500の予選Q1は途中、コースアウト車両による赤旗中断を挟むなど、ややトリッキーな展開になったが、涼しめのコンディションもあってタイム水準は上がり、上位9台がコースレコードをマークすることに。でもQ2進出枠は「8」。9位の#36 PETRONAS TOM’S RC F(伊藤大輔&J.ロシター/タイヤはブリヂストン=BS)はコースレコードを出しながらも0.002秒差でQ2進出を逃がすというほどの激戦だった。そのなかでポイント上位4陣営はいずれもQ1を突破。そしてQ2でニュー予選レコードとなる1分47秒630をマークしてポールポジションを獲得したのは、現在34点でドライバーズポイント2番手の#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&ロニー・クインタレッリ/ミシュラン=MI)だった。

「最近はQ1の争いがすごく激化している。でもQ2に進めさえすれば、ロニーがわるくとも3位以内には入ってくれる感触があったので、なんとしてもQ1を突破する、という強い気持ちで走りました」との旨を語る松田がQ1通過を果たし、その松田から「マシンのフィーリングはわるくないと言われて」バトンを受けたクインタレッリが、「2カ所くらいギリギリのところもあったけど」というアタックを決めて、#1 GT-Rは今季2度目のポール獲得を成し遂げた。

「誰も予想していなかった低温のコンディションで、しかも午前の練習走行の路面コンディションが良くなかったんですが、チームやミシュランのスタッフとみんなで考えたタイヤチョイスが良かったと思います」と、チーム力の充実を窺わせる松田。決勝は通常の3倍以上のレース距離となるため、勝敗に予選結果が直結するとは限らない面もあるが、両ドライバーとも決勝がどういうコンディションや展開になっても対応可能な手応えがあることを感じさせており、タイトル争いのライバルたちにまずは先手を取った格好である。

GT500の予選2~6位は以下の通り。日産、レクサス、ホンダが1~3位を分けた(カッコの後ろはドライバーズポイント)。

2位 #38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路&石浦宏明/BS)26点
3位 #64 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐&B.バゲット/ダンロップ=DL)0点
4位 #46 S Road MOLA GT-R(本山哲&柳田真孝/MI)24点
5位 #12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信&J-P.デ.オリベイラ/BS)38点
6位 #37 KeePer TOM’S RC F(A.カルダレッリ&平川亮/BS)30点

ポイント上位5組が予選6位までに入ったなか、午前の公式練習で1分47秒589という今日最速のタイムをマークする速さを見せたハンデ0kgの#64 NSX(予選3位)には、ホンダ勢今季初勝利の期待も。また、今季はF1優勝経験者のH.コバライネンが加入して注目の#39 DENSO KOBELCO SARD RC F(BS)は、今回GT500クラスで唯一の第3ドライバー起用に踏み切っており、平手晃平とコバライネン、さらにF1レギュラー参戦経験をもつC.クリエンというトリオで参戦、予選は11位だった。

多くの陣営が第3ドライバーを起用しているGT300クラス(エントリー28台)は、ロータス・エヴォーラMCの#2 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂&加藤寛規&濱口弘/ヨコハマ=YH)がポールを獲得した。エヴォーラMCは、今季からGT300に本格導入されたマザーシャシー(MC)をベースにして製作されたマシンである。

Q2でポールを決めた加藤は「チームみんなの頑張りによる結果だと思います。タイヤを供給してくれているヨコハマさんにも感謝です」との旨を語り、決勝に向けては「長いレースですし、天候がどうなるかということもあります。自分たちがミスなくいけば結果はついてくる、とも思いますので、とにかく大事にいきたいですね」。

GT300クラスの予選2~6位は以下の通り。
2位 #10 GAINER TANAX GT-R(A.クート&千代勝正&富田竜一郎/DL)
3位 #7 Studie BMW Z4(J.ミューラー&荒聖治/YH)
4位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人&山内英輝/DL)
5位 #88 マネパ ランボルギーニGT3(織戸学&平峰一貴&佐藤公哉/YH)
6位 #55 ARTA CR-Z GT(高木真一&小林崇志&福住仁嶺/BS)

GT300クラスは50kgを超えてもハンデは全て“直積み”となるが、それでもポイントリーダーのクート(44点)が乗り組む#10 GT-Rは、88kgのハンデを背負いつつ2位につけた。今季のGT-R勢の好調さを再確認させる好走だが、一方でポイント2番手(38点)の星野一樹&高星明誠が乗る#3 B-MAX NDDP GT-R(星野&高星&W.ライプ/YH)は16位と、予選結果では明暗を分けた。長い1000kmで#3 GT-Rがどう追い上げてくるかも楽しみである。

173周で競われる決勝レースは明日(30日)の12時30分開戦予定。天候やレース展開次第だが、レース時間は5時間半を超えてくるものと思われる(昨年は約5時間37分で決着。今年の最大延長時刻は18時25分)。優勝の場合で通常20点が25点になるなどのボーナスポイントもあることから、シリーズタイトル争いという面でも重要な位置づけとなる長丁場の1000kmレースは、ドライバー交代を伴うピットストップ最低4回義務が基本原則とされた状況下での戦いとなる。

《遠藤俊幸》

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