【全日本モトクロス女子】ヤマハの安原さやが初タイトル「長く辛かった」

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全日本モトクロス最終戦(SUGO)でチャンピオンを決めた安原さや選手。
全日本モトクロス最終戦(SUGO)でチャンピオンを決めた安原さや選手。 全 8 枚 拡大写真

全日本モトクロスのシーズン締めくくりとなる最終戦決勝レースが、10月25日、宮城県スポーツランドSUGOにて開催され、レディースクラスは「ヤマハYZ85」に乗る安原さや選手(名阪レーシング)が悲願のチャンピオンに輝いた。

タイトルの栄冠は自身初、そしてヤマハにとっても初めてのレーディースクラス制覇。安原選手の喜びの声は次の通りだ。

「長く辛かったけど、その分チャンピオンを獲得できたうれしさは大きいです。また、今年はヤマハの創立60周年です。私もチャンピオンになり、ようやくヤマハの一員になれた気がします。本当に長い間、サポートしてくれたヤマハ、ファンの皆さんに感謝します。ありがとうございました」

安原選手は2005年から、全日本選手権へのフル参戦を開始し、2007年にランキング3位へ躍進すると、その後、2度の怪我があったものの、常にランキング上位を獲得。2013 年には、トップと6ポイント差で最終戦を迎えるが、転倒を喫するなど、ランキング3位に終わった。

そして、全10戦で争われた今シーズン。序盤こそ表彰台を逃すレースもあったが、第5戦以降は、常に表彰台を獲得。第7戦には今季初優勝、第8戦ではライバルのノーポイントもありランキングトップに浮上。さらに第9戦で今季2勝目を飾り、9ポイント差で最終戦を迎えた。

最終戦では序盤4番手でレースを進め、順位を3番手に上げると、ポジションをキープして3位でチェッカー。10戦中8度の表彰台(優勝2回)を獲得し、チャンピオンを決定した。

シーズン後半に強さを発揮した安原選手だが、シーズン前には苦しい戦いとなることを自身で感じていたという。

「チャンピオンを獲れると言われるようになってからおよそ10年。成績が出ない時期もあれば、大きな怪我もあり、引退を考えたこともありました。近年はチャンピオンを獲得する自分を想像できず、特に今年は実力で表彰台に立てないと思っていました」

開幕戦は得意の雨で表彰台に立ったが、第2戦は表彰台を逃す展開。しかし後半にマシンの感触をつかみ、第5戦神戸、さらに第6戦東北で3位。

その後、元モトクロスライダーでヤマハのテクニカルアドバイザーであるダグ・デュバック氏のトレーニングを経験し、勝つためにライディングスタイルを変更するという挑戦に踏み切る。

その成果として、雨のSUGO(第7戦)では独走しトップ。第9戦埼玉はドライで久々に勝利し、9ポイントリードで最終戦を迎えた。

「どんな形でも、とにかく勝つことだけを考えて走りました」

第10戦SUGOで新女王誕生。創立60周年を迎えたヤマハへのビッグプレゼントとなった。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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