JR北海道、普通列車79本を見直し…来年3月改正で廃止・運行区間短縮

鉄道 企業動向
札沼線の終点・新十津川駅。JR北海道が今回公表した通りに普通列車の廃止や運行区間短縮を実施した場合、同駅は1日1本しか列車が来ない終着駅になる見込みだ。
札沼線の終点・新十津川駅。JR北海道が今回公表した通りに普通列車の廃止や運行区間短縮を実施した場合、同駅は1日1本しか列車が来ない終着駅になる見込みだ。 全 2 枚 拡大写真

JR北海道は11月27日、2016年3月のダイヤ改正で実施する予定の列車の見直しについて、関係自治体への説明の状況を発表した。普通列車79本を対象に、廃止や運行区間の短縮を行う。

同社は2016年3月をめどに、利用者の少ない列車や駅の見直しを行う方針を今年9月に発表。普通列車で運用しているキハ40形気動車の老朽化などを受け、気動車で運行している普通列車を中心に運行本数や編成車両数を見直すとしていた。

今回の発表では、同社が見直しの対象とした普通列車79本を具体的に示した。JR北海道によると、朝の通学時間帯の足を極力確保しつつ、利用者の少ない日中や夜間の列車を中心に運行区間の短縮や廃止を行う。関係する57市町村には具体的な見直しの内容を既に示しており、「引き続き関係する自治体等にご説明を重ねてまいります」としている。

見直しの対象となった普通列車と具体的な内容は以下の通り。

■函館本線
函館~長万部間では上り1本・下り3本が対象で、区間列車が廃止の中心となるが、上りの長万部10時26分発~函館13時19分着(列車番号2842D)は全区間が廃止となる。長万部~小樽間では上り2本・下り3本が対象となるが、廃止の中心は長万部~蘭越・倶知安間となる。

■室蘭本線
長万部~東室蘭間では、上り3本・下り4本が対象。廃止の中心は長万部~豊浦間だが、下り3本は長万部~東室蘭間が廃止となる。東室蘭~苫小牧間では糸井~苫小牧間の区間列車3往復が、苫小牧~岩見沢間では苫小牧10時28分発~岩見沢12時02分着(1469D)が廃止となる。

■石勝線
対象はすべて夕張直通列車で、新夕張~夕張間では現行の9往復のうち4往復が廃止となり、約半数の列車が消えることになる。

■宗谷本線
上下各4本が対象。下りの名寄12時35分発~稚内16時57分着(4329D~4333D)や、上りの稚内6時04分発~名寄10時58分着(4326D~4328D)などを廃止する。一方、幌延6時15分発~名寄8時42分着(4324D)は幌延始発から稚内始発に変更し、稚内駅を5時14分頃の発車とする。この結果、稚内発の普通列車は5時台の次が10時台になる見込みだ。

■札沼線
石狩当別~新十津川間の上り2本・下り3本が対象。このうち浦臼~新十津川間は、朝の石狩当別7時45分発~新十津川9時28分着(5425D)と折返しの新十津川9時41分発~石狩当別11時03分着(5426D)のみの運行になる見込みだ。新十津川駅は1日1本しか列車が発着せず、終列車は9時台という特異な終着駅となる。

■根室本線
滝川~釧路間では上下各5本が対象となっている。滝川~新得・落合間では1往復が廃止。帯広~釧路間では音別・白糠~釧路間の区間列車が廃止の対象となる。一方、日本一の長距離普通列車である滝川9時36分発~釧路18時03分着(2429D)は、見直しの対象から外されている。

釧路~根室間では4往復が対象で、廃止は釧路~厚岸間の区間列車が中心となるが、厚岸~根室間でも上下各2本が廃止となる。この結果、釧路発の根室行き下り終列車は22時台から18時台に、根室発の釧路行き上り終列車は22時台から19時台に大幅に繰り上がる見込み。

■釧網本線
上下各4本が対象。釧路口では川湯温泉~釧路間の1往復が廃止。網走口では知床斜里~緑間の廃止が中心となる。全線を運行する列車はすべて存続する。

■石北本線
上り4本・下り5本が対象。金華・留辺蘂~北見間や白滝~遠軽~生田原間の区間列車が廃止の中心となる。1日1往復のみ運行されている上川~遠軽間の普通列車は存続する見込みだ。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る