【メルセデスベンツ GLE 試乗】名前が変わって引き締まった印象に…松下宏

試乗記 輸入車
メルセデスベンツ GLE
メルセデスベンツ GLE 全 20 枚 拡大写真

メルセデスベンツの『Mクラス』がマイナーチェンジを受けて『GLE』に変わった。メルセデス・ベンツ日本は2016年をSUVの年として位置付け、モデル名もSUVを意味する「GL」と車格を表す「E」を組み合わせたGLEになった。

GLEはMクラスの時代からアメリカで生産されてきたクルマで、そのために大味な部分のあるクルマだった。初代モデルでは特にそれが顕著だったが、それがモデルを重ねるごとにだんだんに熟成が進められてきた。

ボディがアメリカ向けの大きさで、乗降性に難があるのは変わらないが、モデル名がGLEに変わるに当たって改良が加えられ、おおらかさを表現すると同時にデザインや走りがやや引き締まった印象を与えている。

外観デザインはフロントグリルやバンパー、ヘッドライトなどが変更され、SUVらしいアグレッシブな印象を強めている。大胆さや力強さを感じさせるデザインだ。

インテリア回りに関しては基本的に大きな変更は受けていないが、細かな部分に改良が加えられたほか、センターコンソールにダイナミックセレクトの専用コントローラーが配置され、路面状態などに応じて5種類のモードが選択できるようになった。

モードによってエンジンのレスポンスやトランスミッションの変速スケジュールが変化し、快適性や燃費を優先した走りからレスポンスに優れたスポーティな走りまで、選択が可能。雪道や荒れ地など、路面状態に応じた走りも可能としている。

AMGモデルを除く標準車に搭載されるエンジンは、V型6気筒3.0リットルのクリーンディーゼルのみの設定。コモンレール直噴システムや電子制御可変ターボを採用し、190kW/620Nmの動力性能を発生する。

エンジン性能自体はMクラス時代と変わらないが、その走りはトルク感にあふれたもので、2350kgに達する重量級のボディをぐいぐい引っ張っていく余裕がある。

トランスミッションも7Gトロニックから電子制御9速ATの9Gトロニックに代わり、これによって一段とスムーズな走りが実現されている。変速ショックが小さいので、何速のギアを使って走っているのか分からないような状況になる。

ただ、日本の道路交通環境の中で、80km/h~100km/h程度で走ったのでは、なかなか8速や9速ギアに入らない。日本市場に合わせたチューニングをしてほしいところである。

価格は安全装備の標準化など、仕様の向上を反映してMクラスに比べるとベースグレード同士の比較で80万円くらい高くなった。試乗した「GLE350d 4MATICスポーツ」は964万円だった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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