気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2016年2月1日付
●本社世論調査,甘利氏の辞任「当然」70%、内閣支持率は横ばい56%(読売・1面)
●日新製鋼を買収へ、新日鉄住金、1000億円規模(朝日・1面)
●慣れぬバス運転講習義務、国交省、採用時、指針改定へ(朝日・1面)
●建造中に3度目の火災、長崎、三菱重工受注の豪華客船(東京・27面)
●パナソニック5%増益,4~12月営業、白物家電が好調(日経・1面)
ひとくちコメント
先週はトヨタ自動車がグループ傘下のダイハツ工業を8月1日に「完全子会社」にすると正式発表したが、どうも今年に入ってからいろいろな業界で再編の動きがかまびすしいようだ。
「産業のコメ」と呼ばれた鉄鋼業界でも再びグループ統合の話題が浮上した。国内最大手の新日鉄住金が、国内4位の日新製鋼を買収する方針を固めたという。きょうの朝日が1面トップで「完全子会社化する方向で調整しており、1日にも発表する」と大きく報じている。
新日鉄住金は日新製鋼の発行済み株式の8%強を保有する筆頭株主。2014年には日新製鋼ホールディングスが日新製鋼と日本金属工業を吸収合併し「日新製鋼」に社名変更している。
記事によると、買収金額は1千億円超になる可能性があるという。買収の狙いは「中国経済の減速や鉄の過剰生産によって業界が逆風下にあるなかで、世界2位の鉄鋼メーカーとして経営体力を強める」と伝えている。
国内鉄鋼大手の再編は、新日本製鉄と住友金属工業が合併し、新日鉄住金ができた2012年10月以来。今回の買収で、鉄鉱石を溶かして鉄をつくる日本の高炉メーカーは、新日鉄住金、JFEホールディングス、神戸製鋼所の3グループに集約されるという。
トヨタがダイハツを「完全子会社」するように、東京証券取引所1部に上場している日新製鋼の場合も上場廃止となる可能性が強い。また、「選択と集中」で、事業の再編とともに7000人近い従業員の存続なども取り沙汰されることになる。いずれにしても、企業統合などの再編では1+1=2にはならないようだ。