【ZFの冒険 Vol.1】メガサプライヤーとなったZF、次の一手は?

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【ZFの冒険 Vol.1】メガサプライヤーとなったZF、次の一手は?
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ZFは独フリードリヒスハーフェンに本拠を置くサプライヤーである。ZFといえばトランスミッションメーカーとして知られているが、近年ではそれ以外にも、最先端の技術群をメーカーに提供するメガサプライヤーとして、自動車産業を支えている。最新のZFの姿とはどのようなものなのか。また、次の一手は。ZFの社内向け機関誌『DRIVE』より、最新のキーテクノロジーを紹介する。

◆ZFの考える近未来の都市型モビリティとは?

ZFでは効率、安全、自動運転と技術の3本柱があり、その中で今最もホットな話題の1つが自動運転だ。特に、都市部での移動に焦点を置いているのが特徴だ。ZFが提案する都市型モビリティについて、『DRIVE』から抜粋してみよう。

「舞台は、都市部の住宅街。路上駐車可能な道路上には、所狭しと縦列駐車でクルマが止まっています。そこへ駐車スペースを探すかのように走ってきた小型乗用車が道路の真ん中で止まりました。非常に狭い駐車スペースを見つけたようですが、なんとその場でドライバーも乗客も降りてしまいました。ドライバーがスマートウォッチをタップすると、驚くべきことに空っぽのクルマは勝手にバックして、ゆっくりと確実な動きで縦列駐車を行い始めました」

「よく見ると、ハンドルが切られている前輪は90度近く曲がっています。このクルマこそ、ZFのコンセプトカーであるアドバンスト・アーバン・ビークル(以下AUV)です。非常に機敏でかつエミッションフリーの電気自動車です」

「ZFのR&D部門のトップ、ナウンハイマー博士はこう語ります。
『このコンセプトカーは、未来の都市型モビリティに必要なコンパクトカー、サブコンパクトカーセグメントのソリューションを開発する我々の、走る実験室なのです』」

AUVは、すでに市場にあるコンパクトハッチバック車のボディを使用しているが、そのメカニズムはもちろんZFによって開発されている。特徴的なのは、半独立式のリアサスペンションの左右ホイール直近に、最高出力で40kWを発揮するエレクトリックモーターを一体化して搭載していること。ZFはこれを「eTB」=エレクトリック・ツイストビームと呼んでいる。最高速は150km/hと発表されているが、これは都市部での使用に特化したコンセプトカーであることを考えれば必要十分な性能だ。

◆75度の前輪操舵角が注目の「スマートパーキングシステム」

都市部での移動において、必ず考慮しなければならないのが駐車事情だ。都市型モビリティが浸透すればするほど、限られたスペースへの駐車を行わなければならない。ZFがAUVで提案するのは、ハードウェアとソフトウェアを融合させたシステムだ。これには「スマートパーキングシステム」という名称が与えられている。引き続き、『DRIVE』の説明を見てみよう。

「『スマートパーキングシステム』のコンセプトは、ソフトウェアの協調制御によりドライブラインとシャシーが最高の相互作用を生むというものです。その結果、全長3.7mのAUVは、小さな駐車スペースに一回で縦列駐車することが可能となります」

「前輪の切れ角はなんと最大75度です。これほどの大きな前輪切れ角を実現できるホイールハウジング形状や、特別に設計した前輪駆動軸、そして電動パワーステアリングシステムによって、最小回転半径をさらに小さくすることが可能となりました。通常のガソリンエンジン車を、同じだけハンドルを切れるようにしても、これだけの最小回転半径は実現できなかったでしょう」

「また、最小回転直径もたった6.5mに収まっており、切り返し無しで片側1車線の道路でUターンが可能です。さらに、トルクベクタリングシステムにより、駆動力は各駆動輪に自由に割り振ることが出来ます。例えば、左輪への駆動を止めて、右輪だけ動かせば、クルマは左に曲がることになります」

「加えて、クルマの全周に渡って取り付けられた超音波センサーと赤外線センサーが、駐車可能なスペースがないか常に目を見張っています。もし、クルマが駐車可能なスペースを見つけると、ドライバーにディスプレイを介してメッセージを送ります」

「駐車を任せるスイッチを押したあとは、ドライバーはじっとしてクルマに駐車を任せるだけ。パーキングアシスト機能がハンドルを切り、センサーと車両後部のカメラを頼りに車両を操作します。さらに、ドアも開かないような狭いスペースの駐車では、ドライバーも乗員も先にクルマから降りてスマートフォンのアプリで駐車を開始することが可能です」

「年々駐車可能なスペースを見つけるのが難しくなっている都市部では非常に実用的な機能と言えるでしょう」

ZFは、トランスミッションを中心に、パワートレインおよびシャシーコンポーネントのサプライヤーとして自動車部品産業界において確固たる地位を確立していた。一方で、近年では自動運転技術に秀でているTRW社を買収したことで、ハードウェアのみならずソフトウェアの面でもより一層の技術力を持つに至った。それらの技術を融合させたAUVは、メガサプライヤーとなったZFの将来を占うものになると言えよう。

《レスポンス編集部》

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