【北京モーターショー16】自動運転にIoT…新規参入を狙うベンチャー企業も続々

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LeEco LESEEコンセプト
LeEco LESEEコンセプト 全 33 枚 拡大写真

中国の自動車産業はゆるやかながら再編が進められ、小メーカーは次第に大手に吸収されるようになっている。そのいっぽうで異業種から乗用車市場に参入しようとするベンチャーも次々と誕生し、モーターショーで存在感を示すようになってきた。

ベンチャー企業の出展車両のなかで、大きな注目を集めたのは『LeSEE』だ。この電動GTを展示したのはLeEco。これは中国の大手動画配信サイト「楽視網」(LE)を運営する楽視網信息技術の、トランスポーテーション部門の名称。同社はこれまでアストンマーティンやファラデー・フューチャー等と提携を結び、ネット接続によるさまざまな機能を提供することになっている。

自主コンセプトとして公開したLeSEEは自動運転機能を備えるほか、スマートフォンのアプリで車外から操作することも可能。またこの機能と情報通信技術を駆使することで、自由に呼び出せる無人タクシーやシェアリング車両として使えることを示唆している。コンセプトカーの後席が抽象的な造形になっているのは、乗員の体格に合わせて形状を変化させる「動態座椅」のアイデアを表現したものだとか。

デザイン開発会社IATのブースには、2014年に誕生した奇点汽車(ZHICHE AUTO)のEVが展示された。このコンセプトカーは固有の車名を持たず、単に「智能電動車」と呼ばれる。しかしトミーカイラZZを手がける日本のベンチャー、GLMのEVプラットフォームを採用した実走プロトタイプで、デザイン開発やプロトタイプ製作業務を手がけたことからIATのブースに置かれることになったようだ。

デザイン案は奇点がヨーロッパに設立したR&Dセンターによるものだという。このガルウイングのクロスオーバー・サルーンもやはり、IoTを駆使した機能を売り物にする「スマートカー」だ。「2017年に少量生産される」と報じた現地メディアが複数あるが、奇点自身は声明を出していないため真偽は不明だ。

またIAT自身も独自の車種を販売する意向を表明し、そのプロトタイプを展示した。フォード『F450スーパーデューティ』のシャシーに独自のボディを架装した、ゴージャスかつアグレッシブなSUV『KARLMANN KING』を10台限定で販売する予定だという。

そしてIATがサポートしたベンチャーとしてもう一社、凌雲智能科技(LINGYUN TECHNOLOGY)がある。電動2輪モビリティの開発を進めている企業で、自社ブースに2台のプロトタイプを展示した。

大型の『推背概念車』は旋回時に車体がリーンする2座席GT。転倒しないよう、底面に小さな補助輪がある。18650型リチウムイオン電池を搭載し、試作車で走行実験をおこなっているという。もう一台の『推背迷爾概念車』はスポーティなコミューターだが、まだモックアップの段階。

電動商用車から乗用車市場に進出してきたのは、電動コンポーネント開発やEV製造を手掛ける五龍電動車集団。長江電動汽車というブランドでバスやバンを製造してきたが、新たにコミューターの『逸酷』(e-COOL)を公開した。全長3620x全幅1620mmと非常にコンパクトながら5人乗りで、380Vの急速電源では30分で80パーセントの充電が可能で、満充電での走行距離は200kmだという。

《古庄 速人》

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