【WEC 第2戦】アウディ8号車デュバル組が優勝…首位快走のトヨタ中嶋一貴組はトラブルに泣く

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WECスパ戦を制したのはアウディ8号車。
WECスパ戦を制したのはアウディ8号車。 全 8 枚 拡大写真

現地7日にベルギーのスパ・フランコルシャンで決勝6時間レースが実施された世界耐久選手権(WEC)の今季第2戦は、アウディR18の8号車ロイック・デュバル組が優勝。中嶋一貴組の5号車がトップを快走したトヨタだったが、トラブルで勝利を逃している。

ポルシェ、アウディ、トヨタの3大メーカーワークスが競う最前線、LMP1-H(ハイブリッド)クラスの戦況は開幕戦に続いてサバイバルゲーム化した。レース中盤の時点で、大きなマシントラブルやアクシデント等がなくレースを遂行できていたといえるのは、6台のLMP1-Hマシンのうち2台。首位の#5 トヨタTS050(A.デビッドソン&S.ブエミ&中嶋一貴)と、2番手の#8 アウディR18(L.ディ・グラッシ&L.デュバル&O.ジャービス)だけである。予選で最前列を確保した昨季王者ポルシェ919勢は2台ともほぼ争覇圏外に去っていた。

トヨタが、チャンピオンに輝いた14年シーズン以来の勝利を飾るのは確実な流れかと思われた。ところが残り約2時間のところで、首位の#5が白煙をあげてしまう。痛恨のエンジントラブル、無念の戦線離脱に(レースの最後にコースに戻り、完走認定は受けた)。

トヨタGAZOOレーシング:佐藤俊男チーム代表のコメント
「週末を通じ、性能面での向上を確認することが出来ましたが、レース結果は厳しいものとなりました。開幕戦と比較して明らかな向上を果たせたことに関し、ケルンのチームスタッフとトヨタ東富士研究所の努力に、あらためて感謝したいと思います。レース中盤を過ぎた時点まで安定して速いラップタイムを刻みながらトップを走行することが出来ましたが、残念なことに2台ともエンジンにダメージを受けてしまいました。直ちに原因を究明し、次戦ルマン24時間に向けて対策を講じたいと思います」。

#5 トヨタTS050:中嶋一貴のコメント
「今日は難しい日となってしまいました。ダウンフォースレベルのセッティングが良く、タイヤ選定も、戦略も全てうまくいっていましたし、TS050 HYBRIDの競争力が非常に高いことも分かり、その証明は出来たと思います。しかし、このような終わり方をするとは思いもしませんでした。勝てるチャンスだっただけに、残念としか言いようがありません」。

優勝は#8 アウディ。レース中のドライバー無線等でも決して手応えの良い走りができていたわけではないようだったが、生き残りゲームを見事に制した。チームを率いるW.ウルリッヒ代表は「今日は“マッドな”レースになったが、最後に8号車とともに我々が勝利を得られたことは素晴らしい」と語り、優勝クルーのディ・グラッシも「クレージーなレースだった。正直なところ、この結果は予期していなかったよ」と話すなど、まさに耐久レースという展開の末の勝利であった。

開幕戦で#7 A.ロッテラー組がトップでゴールしながら失格になっていたアウディにとっては今季初優勝。昨年のスパ戦以来、ちょうど1年ぶりの勝利で、ポルシェのシーズン跨ぎの連勝を7でストップしている。

開幕ウイナーの#2 ポルシェ(R.デュマ&N.ジャニ&M.リーブ)は序盤からトラブルを抱え込んで全力走行ができない状態に陥っていたと見られ、大きく遅れていたのだが、終わってみれば2位。そして3~4位にはプライベーターのノンハイブリッドLMP1マシン、2台の「レベリオン R-One・AER」が#13 A.インペラトーリ組、#12 N.ハイドフェルド組の順で続いた。

アウディの#7 A.ロッテラー組は5位(LMP1-Hでは3番手のゴール)。トヨタの#5 中嶋一貴組とポルシェの#1 M.ウェーバー組も完走は果たしている。トヨタの#6 小林可夢偉組はリタイア。

次戦はシリーズ最大の山場であるルマン24時間レースだが、例年その前哨戦的な位置づけともなるスパ戦がこういった展開に終わることは珍しい。開幕戦も含めて、LMP1-Hクラスの3大メーカーワークスがまともに勝負し切れていない状態で迎える今年のルマンは、いったいどんな戦いになるのか。ルマン24時間の決勝レースは6月18~19日にフランスのサルト・サーキットで実施される(6月5日に現地テストデーあり)。

《遠藤俊幸》

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