「第18回国際バラとガーデニングショウ」が5月13日、西武プリンスドームで開幕したが、その広い会場で存在感を示したのがホンダだ。唯一二階建ての建物を設置し、遠くからでもすぐわかるほどだった。
「今回はパリ郊外の戸建て住宅と庭をイメージし、ホンダの汎用品を使った暮らしを提案しました。昨年12月にコンセプト、1月にデザインを決め、3月から植物を育てるなどして、この展示会のために長い時間をかけて準備をしてきました」と同社関係者は説明する。
そして、耕うん機や芝刈機、発電機など自社製の汎用品を庭にうまくマッチするように配置し、車庫には軽自動車『N-ONE』とスクーター『PCX』。また、室内は画廊のようになっていて、絵のなかにさりげなくホンダの汎用品が描かれていた。
そのほかにもさまざまな趣向が凝らされていた。例えば、庭にはフランスの古城にある門をモルタルで再現。その壁にはル・マン24時間レースのサルト・サーキットと鈴鹿サーキットの絵が描かれ、本田宗一郎氏の言葉がフランス語で添えてあった。
「技術も芸術もいいものにするには女性のことがわからなければいけない」
今回の展示会は来場者の多くが女性で、自社製の汎用品もただ並べるだけでなく、女性に気に入られるようにいろいろと工夫をしたという。
12年前に初出展した時には、ホームセンターのジョイフル本田と間違えられたり、ホンダが耕うん機などをつくっていることを知らなかった来場者が多かったが、「今ではクルマやオートバイをつくっているホンダと、汎用品をつくっているホンダが同じ会社であることを来場者のほとんどに知ってもらえるようになった」と同社関係者。
耕うん機をはじめ、ホンダの汎用品は現在、売れ行き好調とのことだが、こうした展示会での地道な活動が奏功していると言っていいかもしれない。