【R-M ベストペインターコンテスト16】7試 8心技…現場で鍛えた腕とリズムで“色を塗る”

自動車 ビジネス 企業動向
横浜市港北区のBASFジャパン新羽リフィニッシュコンピテンスセンターで5月21日に開催された「国際R-Mベストペインター・コンテスト」日本大会決勝
横浜市港北区のBASFジャパン新羽リフィニッシュコンピテンスセンターで5月21日に開催された「国際R-Mベストペインター・コンテスト」日本大会決勝 全 20 枚 拡大写真

リペア塗装の世界一を決める「国際R-Mベストペインター・コンテスト」。その国内選抜大会が5月20・21日に横浜で開かれ、8人の塗装技術者たちが、7種目の試験に挑戦。現場で鍛えてきた“塗る”という腕が、効率的塗装とボカシ塗装という2つのテストで試された。

効率的塗装は、左右フェンダーとフードを“キャンバス”とし、クリーニング、下地塗装、カラーベース塗装、トップコート塗装を施していく。ここでは、安全衛生や塗料使用量、塗装プロセス、膜厚、ラウンド、ムラ、垂れ、均一性などが評価基準となる。競技時間は55分。

ボカシ塗装は、フェンダー(電着パネル)から塗装済みドアパネルへのボカシ塗装が試されるテストで、マスキングペーパーや同テープを使用して下地塗装から始めて仕上げていく。ここでも安全衛生や塗装使用量などが問われるほか、正しいグレーシェードの選択、トータル作業時間、ムラ、ボカシ、色の差異、垂れ、均一性、艶などが評価基準に含まれる。競技時間は60分だ。

世界大会への切符をめざして挑んだ8人の“ペイントサムライ”たちは、競技終了後、こんなコメントを残していた。

ホンダボディサービス栃木・上野剛史氏「体力も頭も使った。精神的な疲れを感じているが、終わってほっとしている。効率的塗装にウェイトをおいて取り組み、それを成し遂げられてうれしい。どのテストも時間に追われて最後まで詰められなかった感じもする」。

宮崎トヨタ自動車・藤田英学氏「ボカシ塗装がいちばん悩むところ。メタリックのボカシ塗装だったけど、いつも通りできればよかったが、テンパっちゃって。調色は満足できた。よかったなという感じ。現場の人たちとの交流の場がないので、こうした機会に情報交換ができてうれしい。これからは次の世代に技術を伝える側に立ちたい」。

木下自動車工業・天野陽香氏「こういう仕事をしていると、人前に出ることもあまりないので、緊張したが、楽しめてよかった。効率的塗装のテストは、結構楽しんでやれた。これまで、制限時間を設定して作業することがあまりなかったので、これからは、時間を意識して仕事することが課題」。

アバンステクノサービス・横田原也氏「後半、ちょっと緊張して身体が動かなかったけど、全部やりきったという思いでいる。最後にやったボカシ塗装がいちばん難しかった。天野さんの進み具合が早いから焦った。途中で、頭のなかがごっちゃになってしまったのが印象的だった」。

ネッツトヨタノヴェルとやま・細川一成氏「塗装には自信があったので、塗りに関しては誰にも負けないという思いがあった。この大会を通して、いろいろな人と出会って勉強になった。職場に戻り、仕事仲間とこの経験を共有し、活かしていきたい」。

ホンダボディサービス神奈川・山内優氏「フロントパネルなどのブロック的な効率的塗装が全体的にスムーズにできたと思っている。今回の競技に参加できて、自分の課題がよくわかった。これから職場に戻り、自分のできなかった部分などを克服し、向上心を持ってスキルアップしていきたい」。

オールホンダボディーサービス・佐々木公大氏「この大会を目標にしてきたので、いま達成感がある。すべての競技がいい経験になった。最初は不安だったボカシ塗装が、やってみたらうまくいった。いちばんいい成績を出せたかなと思っている。膜厚測定など、いまの現場にない評価にも取り組み、練習してきた。また仕事場に戻り、後輩の指導や会社全体のレベルアップにつなげたい」。

熊本カーハイテクセンター・本田衡平氏「このような大会はめったにないので、気合を入れてやったが、なかなかいい結果が出なかった。悔しいけれど、よりよい経験を経て、今後の仕事に活かしたい。効率的塗装のできがとてもいい印象だった。緊張したところもあったが、普段やらない仕事もできて、いい経験となった」。

この「国際R-Mベストペインター・コンテスト」日本大会決勝では、8人の塗装技術者たちが、これまでに培った経験と学びをもとに、筆記試験、隣接パネルへのボカシ塗装(塗装の技術力)、色の分析と特定、調色(カラーマッチング)、効率的塗装、カラーアジャストメント、補修内容に応じた製品選択(最適な製品を選択)に挑んだ。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る